脱エンジンを掲げるホンダと経営再建中の日産は共通の課題に直面している。
40年に100%EV・FCVに
「次世代バッテリー開発」「電動車の技術渉外」「OTAによる車載ソフトウェア配信システムの企画開発」──。
本田技研工業(ホンダ)の中途採用サイトには、車の電動化やコネクテッド技術などCASE技術に関わる人材募集の項目がズラリと並んでいる。この求人が示すように、ホンダは次世代車開発に向けた改革に全社で突き進んでいる。
業界内に衝撃を与えたのが、4~5月に募集した55歳以上64歳未満の社員を対象とする早期退職だ。国内の正規社員の約5%に当たる2000人以上が応募した。狙いは、会社の世代交代をし新技術の開発競争に備えることだ。
ホンダは4月、2040年までに世界で販売する新車をすべて電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)にすると宣言。また、北米では米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する大型EVを24年に2車種、中国では今後5年以内にEVを10車種、日本では24年に軽自動車のEVを投入する。
これまでF1などで培ってきた「エンジンのホンダ」の看板を降ろし、日本勢では初めて脱エンジンへと舵を切った形だ。ホンダの三部敏宏社長は「過去の延長線上に未来はない。『第2の創業』のようなものだ」と覚悟を決める。ただ、社内の反応は冷ややかだ。あるホンダ社員は「社内では大きな変化は感じられない。20年先の目標では現実感を抱きにくいのでは」と語る。
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