中国は今やEV生産・消費の世界的な拠点になっている。
小型EVとPHVを欧州に投入
中国は今、第2次EV(電気自動車)ブームに沸いている。2014年から19年までの間に大手自動車メーカーがガソリン車のEV仕様を投入し、その流れに続いて上海蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車など多くの新興EVメーカーが誕生したのが、第1次EVブームだ。このときは販売価格200万円前後の中価格帯が中心で、同じ価格水準のガソリン車とシェアを競い合い、苦境に陥ったメーカーも多かった。
20年以降に起こっている第2次EVブームは、これと別次元の動きだ。同年1月から上海で生産され始めた米テスラの「モデル3」(補助金を考慮した実質価格は約400万円)が中国のEV市場で高級EVブームの火付け役となった。その後、バイドゥ、シャオミなど大手IT企業が相次いで高級EVの生産に参入し、東風汽車集団、上海汽車集団など大手国有自動車メーカーもそれぞれ高級EVの新ブランドを立ち上げている。
中国では短距離用の小型EVが補助金の対象から除外されているが、ボリュームゾーン向けのEVは依然として、手厚い補助金がなければガソリン車に対する競争優位を確立するのが難しい状況だ。ボリュームゾーン向けを中心とした各社の参入により、25年の中国におけるEV生産能力は市場需要の3倍にまで膨らみ、年間2000万台に達すると見込まれている。
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