押し寄せる環境規制と価格競争の波に、日本は立ち向かえるか。
「エコな電池」でEUのお墨付き
北緯64度。1年の半分は降雪が続くスウェーデンの都市で、欧州メーカー初の本格的な車載用電池工場が、今年末の稼働に向けた準備に追われている。
工場を運営するのは、同国に本社を置く電池メーカー、ノースボルトだ。米テスラの元幹部が2016年に創設。まだ量産実績がないにもかかわらず、欧州投資銀行や独フォルクスワーゲン(VW)、BMWなどから計約65億ドル(約7100億円)を調達している。
新工場の電池生産能力は年間60ギガワット時で、米国にあるテスラの電池工場「ギガファクトリー」1カ所の約1.5倍に相当する。さらに30年までに追加で2カ所の自社工場を新設する計画だ。
特徴は「エコな電池」を造れる点にある。スウェーデンは水力発電の構成比が高く生産時のCO2(二酸化炭素)排出量が抑えられるうえ、電池の原材料や生産設備にも再利用可能なものを使う。工場には電池のリサイクル施設を併設する。技術開発や工場立ち上げのため、パナソニックや日産自動車、GSユアサなどで働いた十数名の日本人技術者も働いている。
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