なぜUSJは値上げを毎年続けられるのか 今年は過去最高の入場者数を達成する勢い
年明け早々、大阪のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(以下、USJ)が、チケットの値上げを発表した。パークで1日遊べる1デイ・スタジオ・パスを、1月30日から220円値上げし7200円(12歳以上65歳未満の税込み料金)にするなど、3券種の価格を改定する。
もっとも、USJにとって値上げは珍しいことではない。2010年に5800円から6100円へ300円値上げして以降、6200円(2011年)、 6400円(2012年)、6600円(2013年)と毎年値上を実施してきたからだ。昨年は消費増税に伴う190円の価格改定を行う前、1月にも「アトラクションやイベントのパワーアップに伴うもの」(USJ)として190円の値上げを行っている。
こうして値上げを続ける中でも、ハロウィーンなどのイベント拡充や既存のローラー・コースターを逆走させるという奇抜なアイデアも奏功し、入場客数を増やしてきたのが大きな特徴だ。
ハリポタ効果で上り調子
2014年7月のハリー・ポッター新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のオープンから、さらに勢いづいている。8月以降、月間入場者数は各月での過去最高を更新し続け、12月末までの9カ月間で入場者数は過去最高の940万人を突破。今年3月までの年間入場者数は、”開業景気”に沸いた2001年度の記録1102万人を上回りそうだ。
入場者数の著しい増加で、施設運営の要員やサービス水準を維持するための誘導員、案内員など人件費が高まっており、今回の値上げには運営コストの上昇に対応したという側面もある。一方で、USJは「顧客の満足度を高めるために、パークの中身を充実させ、常に進化するために値上げが必要」と説明するだけあって、今年は年初から新イベントやアトラクションを矢継ぎ早に投入する。
1月23日からは「エヴァンゲリオン」など人気アニメ、コミック、ゲーム4作品の世界観を反映したイベント「ユニバーサル・クールジャパン」を開催する。昨年、この時期には大型イベントがなかっただけに、入場者数の増加が期待される。
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