EV時代が問う軽自動車の「存在意義」 脱ガソリン車に揺れる日本の「軽」②

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日産と三菱自動車が開発中のEV「IMk」は、軽自動車の未来形として注目が集まる。写真は2019年に日産が披露したコンセプトカーと、それを紹介する中畔邦雄副社長(写真:大澤誠)

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「軽のマイルドハイブリッド車(マイルドHV)は電動車にカウントされるのか?」

2020年12月、国が軽自動車を含むすべての乗用車に「電動化率100%」の目標を課すことが正式に決まると、報道各社の業界担当記者たちは「電動車」の定義の確認に走った。マイルドHVを電動車と見なすか否かで、軽自動車の電動化率は大きく変わるからだ。

プリウスとまったく違う軽のHV

トヨタ自動車の「プリウス」を始め、登録車で普及が進むHVは、ストロングHVと呼ばれる電動化技術だ。マイルドHVはその簡易型で、スズキや日産自動車、三菱自動車が軽を中心に導入している。軽自動車の新車販売におけるHV比率は3割以上で登録車と一見遜色ないように見えるが、軽はすべてマイルドHVだ。

2つの違いは大きい。ストロングHVは発進時や低速時にはモーターで動き、スピードが上がるとエンジンで走行するなど、エンジンとモーターの使い分けや併用によってガソリン消費量を最小限に抑える。ホンダの小型登録車「フィット」を例に取ると、ガソリン車モデルよりも価格が44万円高いが、ガソリン1リットル当たりの走行距離は4割強長い。

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