SBSホールディングスが、中国製のEVトラックを採用した理由とは。
日本の宅配市場に、中国製EVトラック参入の波が押し寄せている。
3PL(物流の一括受託)大手のSBSホールディングスは10月、京都のEVファブレスメーカーのフォロフライが開発するEVトラックを、協力会社も含めて1万台導入する方針を発表した。このうち一部を、中国の国有自動車大手、東風汽車集団傘下の東風小康汽車が生産する。東風小康汽車製のEVトラックの販売価格は、1台当たり約380万円と超低価格だ。
今回採用するEVトラックは2021年内に走行試験を終え、メンテナンスや整備体制を整えた後に、2022年から順次導入を開始する。
SBSHDは倉庫内業務の代行を主力事業としているが、近年は宅配サービスに力を入れ、生活協同組合やアマゾンから商品配達を受託している。
同社は今回導入するEVトラックの1万台のうち、東風小康汽車製を含む約2000台を、グループ会社で消費者に直接商品を届けるラストワンマイル向けに使用する予定だ。充電1回当たりの航続距離は300キロメートルで、夜間に6~8時間かけて充電しておけば、日中は追加の充電なしに配達できる。
「本当は日本製を導入したかった」
なぜSBSHDは中国メーカーが生産するEVトラックを導入することになったのか。同社の鎌田正彦社長は、「本当は日系メーカーが生産するEVトラックを入れたかった」と打ち明ける。
同社は5年ほど前からEVトラックの導入の検討を始めた。ところが、日系メーカーの場合、車両価格が1台1000万円以上と高額で、なかなか採用に踏み切れなかった。また海外メーカーの中には低価格EVトラックを販売しているメーカーもあるが、品質面で懸念が残った。しかし、この両方を叶えることができるメーカーが中国にあった。
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