電動化や自動運転など「CASE」と呼ばれる次世代技術に対応するため、貨物トラックを舞台とした国内大連合が動き出した。
車両電動化や自動運転などをはじめとする「CASE」時代を迎え、自動車産業は今、歴史的な大変革期にある。乗用車だけでなく、モノの輸送を支える貨物トラックなど、いわゆる「商用車」でもそれは同じ。世界的に環境規制が強まる中、とくに遅れている商用車の電動化は差し迫った大きな課題だ。
こうした産業の大変革をどう受け止め、これからのCASE時代をいかにして生き残っていくのか。いすゞ自動車と並ぶ商用車メーカーの国内大手で、トヨタ自動車を親会社に持つ日野自動車の下義生会長に聞いた。
――2021年春に親会社のトヨタを交える形で、最大のライバルでもあるいすゞとの提携に踏み切りました。その詳しい経緯を聞かせてください。
まず1つはトヨタとの関係だ。当社は2001年にトヨタの子会社になったが、これまでを振り返ると、乗用車と商用車とではビジネス上のシナジーは乏しかった。トヨタグループに日野が存在する意義とは何か。豊田(章男)社長も私も明確な答えを持てていなかった。
しかし、CASE時代を迎えるに当たって、そこに明確な意義が見えてきた。例えば、トヨタが得意とするFCV(燃料電池車)は、重いトラックにも適した電動化技術だ。同じルートを走ることが多いトラックなら、乗用車より水素ステーションの数の問題も解決しやすく、水素社会実現への大きな牽引役になりうる。
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