大赤字に陥っていた日産がいよいよ反転攻勢に打って出る。一度失墜したブランドは、電動化で復活できるのか。
EV、やれるならやってごらん
――日産では、競合に先駆けて10年前から量産型EV「リーフ」を手がけてきました。
10年間やってみないとわからないことがある。「EVはすぐ(開発)できる」と言っている人たちがたくさんいるが、「やってごらん」という感じだ。
われわれは電池から絶対に事故を起こさないよう、慎重に、確実に進めてきた。これからはエネルギー密度(体積や重量当たりのエネルギー容量、発電効率を示す指標)をさらに上げていかないといけない。そうすると電池1つ1つのエネルギーが増えるわけで、安全性はより重要になる。
電池の劣化についても、モニターをしながら顧客がどういう使い方をすると劣化しやすいかといったデータをグローバルで集めてきた。これは劣化を抑えるための制御技術の部分でも大きな成果で、長持ちする電池の開発に役立つ大きなアセットだ。
だからこそ、何度も言うが「EVはすぐできる」というのは無理だと思う。
――一方でEVはガソリン車に比べて販売価格の高さがネックです。中でも電池のコスト低減が課題ですが、どう開発を進めていきますか。
日産として(EVで主流とされる)液体リチウムイオン電池はまだまだ進化させる。(高価な希少金属の)コバルトの使用をなくしていき、エネルギー密度を上げる。コストを下げながら、性能を上げる技術開発を続けていく。
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