背水の日産、電動化で試される「存在価値」 連続大赤字から「2つの柱」で反転攻勢に挑む

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大赤字に陥っていた日産がいよいよ反転攻勢に打って出る。一度失墜したブランドは、電動化で復活できるのか。

業績低迷やブランドイメージの悪化にあえいでいた日産が、反転攻勢の準備を整えつつある(記者撮影)

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10日間で予約受注4000台――。

6月中旬、日産自動車で電動化を担当する平井俊弘専務執行役員の元に、これ以上ない吉報が届いた。驚きの声を上げる役員もいた。

日産が今冬に投入する10年ぶりの新型電気自動車(EV)「アリア」が、予想以上の予約受注(日本専用限定車が対象)を獲得したからだ。発売がこれからのため購入確定ではないが、新型EVへの関心の高さがうかがえる。

「間違いなく自信を持って提供できる車だ」。平井専務は、ブランドの新たな象徴と位置づける新型EVに確かな手応えを感じている。経営再建中の日産にとってアリアの投入は、復活に向けた反転攻勢の号砲にほかならない。

業績回復へ差し込む光明

日産は今2022年3月期に世界販売台数440万台(前期比8.6%増)、2期連続の赤字だった営業損益はプラスマイナスゼロへと浮上を見込む。

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