たった1年に一度の宴席なのに、それがあるのとないのとでは、次の世代になると0か10の関係になるのです。この関係が、お互いの相性で決まったのではなくて、時間の制約でこのような差ができたのですから、いろいろ考えさせられます。
だから何なのだと言われれば言葉がありませんが、核家族で育った子供さんに多くみられる問題点や、人生万事が人間関係で決まるといわれるこの社会で、もっともらしいさまざまな理由や、難癖をつけて親戚を遠ざける生き方は、大人にとっても褒められた生き方ではないと、私は考えております。最初にご夫君にとっても良くない生き方だと申しましたのは、この辺の事情によるものです。
夫妻の実家を同等に扱う成功者
昨今の私たちの2日の夜のあいさつ会は、年老いた兄に変わって姪の婿殿(龍弥氏・仮名)がすべてを仕切ります。彼は自分の実家の親戚も多く、みずからの交際範囲も広い人なので、妻方でそのような宴会を催さなくとも、十分に楽しい宴席を自宅で開ける人なのです。
なのに彼はその日は、自分の舅(私の兄)宅に訪れる約30名のために、豪華料理の段取りや費用をすべて引き受け、ホスト役を嬉々として勤めてくれるのです。実際の段取りや手料理は私の兄嫁や姪たちがしますが、物心両面での(彼の妻方である)私たちへの接待ぶりには、感謝以上に頭が下がる思いでいっぱいです。
彼の実母と同居し、家業にも育児にも完璧なその妻(我が姪)への感謝の想いも込められているのかも知れませんが、それだけでここまでできるものではありません。妻の親弟妹や私たち(義父の妹家族)への親愛の情が深く、その者たちが一同に会して宴を張ることの深い意味と大切さを知る人なのです。
(全国の「妻」が、龍弥氏を持ち出して夫を責めないか心配です。いろいろな条件が整わねばできないことで、気持ちさえあればできるというものでもありませんので、念のため)。
龍弥氏は誠実な人で、人間的な器の大きい彼ら夫婦が育てた子供たちは皆素直で、優秀で優しく家庭は円満、商売はますます繁盛で、彼の行く手に敵は見当たりません。損得を度外視した彼の生き方や彼の築く人間関係が、ますます福を招いているように見えます。わが家の子供たちも彼に会えるのをとても楽しみにし、生き方のお手本にしたいおひとりだと言います。
夫婦の情はギブ&テイク
ベビー蜜柑様、親の排他的な生き方や人間関係は、子供のそれらに強く影響し、やがてそれは親に返ってくるもので、親子共々いいことはひとつもありません。あなたの「夫の実家に気分よく泊まって<あげている>」という感覚も感心できません。
生涯の伴侶と決めた人の両親や家族は、自分の両親等と同じように尊ぶことを約束しあいましょう。その交流が最初は気まずかったり、すぐには親しみが湧かなくとも、それを重ねるか否かで、親しみの情や絆は0にも10にもなるのです。先の震災後、見知らぬ人とも「絆」を結ぶことの大切さが強調されていますが、身近な人との絆を疎かにする人に、それは可能でしょうか。
「心の問題なので、嫌がる人を無理に連れていかなくとも」という単純な問題でないことが判ります。が、人の生活の習慣やリズムは変わるものですし、長い年月の間には、招いたり招かれたりすることも難しくなったりするものです。
招く方はお茶の一杯も用意せねばならず、ご夫君の存在を尊重しなければできない招待なのですから、ご夫君は、あなたの実家から招かれている間は、その意味をよく考えて、感謝して出席するべきなのです。
ご夫君はこの方面では本音と建て前の使い分けができない、社会勉強の入り口に立っているだけの人だとお見受けしました。親から子への愛は無償ですが、おおかたの夫婦の情愛はギブ&テイクです。宮川大助・花子の漫才ではありませんが、「夫婦は敵か?」「いいえ、味方です」の会話をお二人の合言葉に決め、じっくりと親戚づきあいの意味と方法を確認し合いましょう。
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