脱炭素化への潮流が強まる一方、日本のエネルギー政策の混迷が一段と深まっている。改革をどう進めるべきか、国内外のエネルギー事情に詳しい橘川武郎・国際大学大学院教授に聞いた。
──経済産業省が7月1日に開催した審議会では、今後のエネルギー政策のあり方について約10カ月ぶりに議論が行われました。
私はメンバーとして参加したが、原子力について、経産省の「やる気の乏しさ」が目立った。原子炉のリプレース(建て替え)は検討課題に挙げておらず、2030年度の原子力の電源構成目標をどう達成するかについても具体性がない。21年夏までに現行のエネルギー基本計画の見直しに着手するというスケジュールが示されたが、法律で定められたぎりぎりのタイミングまで引っ張っている。経産省は本音では議論を始めたくないのではないか。
50年目標の具体的議論を
──30年度の電源構成において、原子力は発電電力量の20〜22%を担うことが現行のエネルギー基本計画で定められています。
達成は無理だ。原子力規制委員会による審査や再稼働の状況を見る限り、どんなに多くても15%がいいところで、現実には10%を切る可能性もある。そうなると30年度に13年度比で温室効果ガスを26%削減するという国際公約の達成には、原子力と並ぶゼロエミッション電源である再生可能エネルギーの比率を30%くらいまで引き上げなければならない。エネルギー基本計画における再エネ目標は22〜24%だから、上方修正が必要だ。
石炭火力について、経産省は非効率な設備のフェードアウトを促すとしており、現行目標である26%を下回る20%程度に着地するのではないか。その場合、LNG(液化天然ガス)火力を目標の27%から33%程度に引き上げなければつじつまが合わない。このように見ても、エネルギー基本計画と現実との間には大きな乖離がある。
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