災害時でも供給が途絶えず、省エネ性能にも優れた分散型エネルギーシステムの構築で、東京電力が東京ガスの牙城を攻略。東ガスは工業団地の需要開拓で反撃する。
電力やガスといったエネルギーのインフラが、近年とくに求められるのは「低炭素」とともに「災害に強い」ことだ。その最前線で東京電力と東京ガスが真っ正面からぶつかり合っている。
森ビルが2003年に開業した日本有数の超高層ビル「六本木ヒルズ森タワー」の電力供給を担っているのは東ガス。ビル内の電力のすべてを賄えるガスコージェネレーション(熱電併給)システムが威力を発揮し、11年の東日本大震災時に停電を免れたことは広く語り継がれている。
ところが、東ガスが独壇場としてきたガスコージェネを用いたエネルギービジネスで、後発の東電が攻勢を強めている。
舞台は同じ森ビルが進める東京・虎ノ門地区の再開発だ。エネルギーの提案で東ガスに打ち勝った東電が、ガスコージェネの導入を含むエネルギーシステム構築に関する受注を獲得した。
今年1月竣工の「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」。地上36階建ての超高層ビルの地下に、ガスコージェネシステム(出力1000キロワットのガスエンジン発電機2台)やターボ冷凍機、4100立方メートルの巨大な蓄熱槽が据え付けられている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら