店舗で使う電力のすべてを再生可能エネルギーで調達する試みが始まっている。
GMS(総合スーパー)最大手のイオンは3月、「イオン藤井寺ショッピングセンター」(大阪府)を再エネ100%店舗として運営すると発表した。同店は、国内大手小売りで初めて「オンサイトPPA」という仕組みを契約。店舗の屋根を事業者に貸し出して、太陽光発電設備の設置・運営を委託し、発電した電力を自家消費する。
イオンはこれまで、自社で太陽光発電設備を設置・運営していたが、莫大な初期・運営コストが発生した。今回、専門業者に委託することで再エネを安価に調達できる。「経済安定性を図らなければ再エネ店舗は継続できない」と、イオン環境・社会貢献部の鈴木隆博部長は語る。
同店の太陽光発電設備は出力が約100キロワットで一般家庭30世帯分に相当する電力を供給するが、それでも店舗で使う電力の1割以下しか調達できない。すべてを賄うには限界があるため、実質的に再エネ由来の電力が使える関西電力のスキームを活用するなど調達の多様化でしのぐ。
現在、中部・関西エリアの4店舗でオンサイトPPAを実施、開発中。今後は全国のイオンモールなど200店舗に展開する方針だ。
イオンはもともと、創業者の岡田卓也名誉会長が公害のあった三重県四日市市の出身で環境問題への意識が高く、1991年から植樹活動に取り組み始めた。その後、アジアに店舗網を広げたこともあり、温暖化対策の重要性を認識。2018年3月には店舗で排出する二酸化炭素(CO2)を50年までにゼロにする目標を掲げた。
同じ18年に日本の大手小売企業として初めて、電力をすべて再エネ由来とするRE100に参画。19年にはCDPの気候変動分野でAリストに選出された。それでも、イオンの鈴木部長は「グローバルでみれば、日本企業の環境対策は遅れている」と、さらなる対策強化の必要性を説く。
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