日本経団連は6月、脱炭素化実現に向けた新プロジェクト「チャレンジ・ゼロ」(チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション)の取り組みを開始した。経団連の呼びかけには130を超える企業や団体が賛同し、脱炭素化に向けた技術革新に挑戦する。
──チャレンジ・ゼロは、どのような問題意識に基づいて打ち出したのでしょうか。
日本経団連はかねて日本のエネルギーシステムについて問題提起をしてきたが、そのことに加えて、気候変動問題の深刻化がきっかけになった。
昨年、米国や豪州など世界中で山火事が相次ぎ、欧州では熱波で40度を超えた日もあった。世界中で気候変動に対する危機感が今までになく高まっている。
しかし、日本には難しい事情がある。「石炭の利用をやめるべきだ」と言われても、いきなりそれをやったら電力の供給が止まってしまう。脱炭素化を進めるには、トランジション(移行)というコンセプトをしっかりと明示する必要がある。そのカギとなるのが、従来の技術の延長線ではないイノベーションの実現だ。
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