欧州の水素戦略が野心的だ。
欧州連合(EU)の欧州委員会は7月8日、「気候中立の欧州のための水素戦略」を明らかにした。
水素製造に必要な水電解装置の能力を4000万キロワット以上に引き上げ、2030年までに「再生可能水素」を年1000万トン規模に拡大する。
日本が17年12月に策定した「水素基本戦略」は、30年の国内外の調達目標が年30万トン程度。その30倍以上を目指し、大規模な投資を呼び込む。
再生可能エネルギー由来の水素製造を後押しするのが、大規模な洋上風力発電の電力を利用した水素製造プロジェクトだ。英国やドイツ、オランダなどでプロジェクトが具体化しつつある。石油メジャーの英蘭シェルは、オランダのガス大手などとともに洋上風力発電の電力を利用した、世界最大規模のグリーン水素プロジェクトを立ち上げる。
安価な再エネが後押し
EUの事情に詳しい日本エネルギー経済研究所のカン・スチョウ主任研究員は、EUの水素プロジェクト本格化の理由を次のように説明する。
「EUは50年の温室効果ガス排出ゼロ目標に向けて動き出している。電化の難しい分野で、化石燃料の代替として水素が注目されている。洋上風力など再エネ導入が活発で、発電コストが大きく低下していることもある。安価になった再エネ電力を用いることで、グリーン水素の大量生産が可能になる」
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