電事連会長「2015年は原発再稼働に全力」 高浜再稼働の際はMOX燃料を装荷へ

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――運転40年を迎える高浜1、2号機、美浜1、2号機の扱いは。

高浜1、2号機は40年超の運転を目指し、特別点検に入ったが、(廃炉を含めて)今後の方針は明確に決まったわけではなく、特別点検の結果を踏まえて判断する。美浜1、2号は初期のプラントであり、安全対策、特別点検は多くの検討が必要となる。

――廃炉会計制度の見直し論議をどう考えているか。

2013年に見直しがあったが、発電設備や燃料、追加安全対策など対象とならない設備があった。このまま早期廃炉になると、一括で多額の費用計上となる。政策や規制の変更に伴う計画外の損失を抑える会計上の措置を(電事連として)お願いしてきたが、今後ともわれわれの思いをくみ取って制度設計を進めてほしい。

――12月18日に経済産業省がまとめた再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)運用見直し案の受け止めは。

FITの見直しで国の方針が示されたが、制度の運用改善につながるものとみている。ただ、再エネの導入拡大と国民負担の抑制を両立するには、制度の抜本的改正が必要ではないか。新エネルギー小委員会で議論が続くことを期待している。

2015年は原発再稼働に全力

――電力とガスのシステム改革への要望は。

電力システム改革の第3段階(発送電分離)については、安定供給の確保の面でいまだ課題や懸念が残っており、分離しても安定供給を補完できるルールを整備する必要がある。エネルギー間の公平な競争環境の整備が必要。都市ガスの導管については、法的に分離するかにかかわらず、導管の中立性確保、新規参入業者との公平性が大事だ。

――原油安の燃料調達に与える影響は。

原油価格の下落は、基本的には燃料費調整制度で収支には中立。ただ、原価計算の想定以上に原発が停止していることに伴う火力燃料費増加分は調整制度の対象にならないので、原油安の効果はある。一方、海外からの燃料調達には円安も影響しており、トータルとしてどう影響するかを注視していく。

――関電として、業界全体として、2015年をどんな年にしていくか。

関電にとって将来を左右する真価が問われる1年になる。原発再稼働を何としても成し遂げ、事業を軌道に乗せたい。電力小売り自由化に備えて、スピード感を持って競争基盤を構築していく。具体策は言えないが、電源競争力と営業サービス力を強化する。

業界全体としても、早期再稼働に全力を尽くす。競争本格化に向け基盤構築を図る。国に期待したいのは、エネルギーミックス(電源構成)を早期に明らかにして、そのための施策を打ち出すことだ。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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