他人事じゃない!45歳銀行員「黄昏研修」

アンケートに見る40代の不安と現実

バブル世代だが、もはや「すごく欲しいもの」なんてなくなった。今、子どもは大学生と中学生。やがて彼らが独立したら、自分が生きていくだけのお金があれば十分かな、と思っている。

公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(2013年度)によると、夫婦2人で老後を送る上で必要と考える最低日常生活費は平均22万円。企業年金や退職金があり、2013年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法で、定年後も希望すれば65歳まで再雇用されることになったので、それほど恐れることはない、というわけだ。

しかし、問題は65歳以降。

「終(つい)の棲家をどうするかなどライフプランによって、働くことの必然性は変わってくる」

中高年社員のキャリア開発に詳しい日本マンパワー取締役の片山.載さんはそう話す。やみくもに収入を心配する前に、自分は何歳ぐらいまで、どの程度のお金が必要で、年金以外でいくら稼ぐ必要があるのか見通しを持っておこう、というのが片山さんのアドバイスだ。

さて、ここで再び読者に聞こう。今の会社で定年まで働きたいですか?

アンケート回答者の8割は「思わない」と答えた。回答者の4分の3に転職経験があることから、今の会社にしがみつく感覚は一般に比べてかなり薄い。一方で「自分が望めば今の会社で定年まで働くことは可能」と答えた人は7割と、ずいぶんと自信を持っていることがうかがえる。

しかし、キャリア構築を支援するCareer Identity Inc.の野津卓也代表は「会社側は、定年までいてほしいなんて思っていない可能性大ですよ」とクギを刺す。

依存型人材はいらない

グローバルな競争社会では、企業の寿命はどんどん短くなる。そうした中で「会社は旬の人に力を発揮してほしいのであって、与えられた仕事をこなすだけの依存型人材はいらない、というのが本音」。たとえ、転職組であろうと、社内にだけ目を向け、ポストの取り合いに汲々としているのでは、安泰ではないという。

「まず、仕事は会社から与えられるもの、という発想を変える必要があります。今の会社という狭い世界にとらわれず、残りの人生でどう社会に役に立ち、生きた証しを残したいのか、という『ライフキャリアビジョン』を持つことが大事。その実現に必要なスキルや経験・人脈を得るために、今の会社を利用する、というふうに会社と自分の関係を捉え直したほうがいい」(野津さん)

今の会社に居続けることに希望が見いだせなければ、転職や独立、起業が選択肢となるが、そこで必要とされるのは、他社や他業界に通用するスキル。アンケートでは、そうしたスキルを「持っている」と答えたのは8割以上。その多くが「スキルは70歳まで働く上で有利」と自信を持っていた。

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