野村証券、「営業人事改革」の衝撃 営業社員が選択権を得られることに

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野村の今回の人事改革は証券業界全体に影響を与えそうだ (写真:玉川陽平)

野村証券が来年4月に導入する国内営業部門の人事改革が証券業界に衝撃を与えている。今回の人事改革は、定年の延長と、転勤がない新たな営業職の導入が骨子だ。野村証券は2012年8月、顧客に投信などの資産を長期保有を促す資産型営業への転換に向けた営業スタイルの変革に踏み切ったばかり。今回は、その基本戦略をより盤石化させていく狙いがある。従来にはなかった新機軸の人事政策の導入が証券業界全体に影響を及ぼすのは必至だ。

今回の人事改革では、新たに導入する新職種は定年年齢そのものを65歳に引き上げて、70歳まで1年契約の更新が可能だ。加えて、新職種では実績給も評価ファクターの中で、売買(手数料)よりも顧客から預かった資産残高部分の評価ウェートを高くする。ストック重視営業の方向性を給与評価により反映させたといえる。

顧客密着型の営業が可能に

新職種のポイントはそれだけではない。新職種を選択した社員は、自ら、営業地域を選択し、さらに会社都合の転勤はない仕組みだからだ。これによって、顧客との密着型の営業がより可能となる。

野村証券では、社員は転居を伴う異動がある「総合職A」、転居の伴う移動のない「総合職B」、年俸制「総合職C」に分かれている。さらに、社内の職階として、基本モデルとして入社3年間は初給職、その後の3年間が業務職が設けられている。さらにそのうえに指導職、基幹職、経営職が設けられ、最高が役員という職階構造になっている。

今回の新職種は、「総合職A、Bのうち、指導職以上」の社員が対象であり、その総数は約5000人だ。つまり、年齢に置き換えると、基本モデルで30歳前後より上の営業社員が来年4月には、これまでの営業職にとどまるか、それとも、新職種に移行するかの選択権を得ることになる。

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