野村証券、「営業人事改革」の衝撃

営業社員が選択権を得られることに

コンサル強化でファンドラップへの資金が純増 (写真:玉川陽平)

金融業界では、社員の年齢ピラミッドはいびつになっている。バブルの形成局面の大量採用と、その後のバブル崩壊局面での採用絞込みが極端に現れているからだ。野村証券でも1987年から1995年にかけての入社組の社員数が多く、その一方で96年から2003年にかけての入社した社員数は相対的にかなり少ない。

今回の定年延長や新職種の導入は、こうした年齢ピラミッドから発生しかねない営業力の低下を補う目的もある。だが、それにも増して効果が期待されているのが顧客とのリレーションシップの構築に基づく資産積み上げ型の営業スタイルをさらに強化させていくことだ。

野村証券は今年9月、顧客への長時間にわたるヒアリング、コンサルタント営業が必要な投資一任運用商品、ファンドラップへの資金純増額が951億円となった。前年度第2四半期の平均月間純増額が11億円だったのに比べると大幅な増加だ。また、保険販売も月間283億円と同じく前年度第2四半期の平均月間販売額105億円から大きく伸ばしている。

コンサル営業強化でM&A案件が拡充

また、コンサルタント営業の強化の中で、この1年半のうちに中小企業のM&A案件のパイプラインも拡大。現在は2000案件がリストアップされるまでになった。これらの実績からは営業改革が成果を上げ始めたようにみえる。

これについて、営業部門CEOの森田敏夫専務は次のように語る。「ブロッカレッジの営業のときには認識できていなかった顧客の厚みを再確認できるようになった。しかし、まだ変革の努力が必要だ。そして、証券営業に経験こそ生きる時代に入ってきたことを考えなければならない」

手応えは感じつつ、営業改革の手を緩めるようなことはないという構えだ。今回の人事制度にも、新たな営業スタイルに自信を持ち始めた営業社員をさらに後押しするものという位置づけをしている。

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