他人事じゃない!45歳銀行員「黄昏研修」 アンケートに見る40代の不安と現実
「もう無理って思う」(サービス、社員、40代後半、男性)
と、現段階ですでに精根尽き果てたような回答もあった。
一方で、積極的賛成派は、
「働くことが好きだから」(その他メーカー、課長、40代後半、女性)
「毎日家にこもる生活はつまらないから」(ソフトウェア、課長、40代後半、男性)
「昔より70歳は元気だから」(電機メーカー、課長、40代後半、男性)
3回の転職で外資系企業を渡り歩いた女性(48)は「社会と関わっていたいという思いがあります。別に仕事じゃなくてもいいかもしれないけど、現段階では別のことを思いつかない」と笑う。
「まだ専門知識も勉強したいし、次世代の人材を育成したいという思いもあります」
東京オリンピックが開かれた1964年、日本人の平均寿命は男性が67.7歳、女性が72.9歳だった。その頃、70歳はまさに人生の最終章だったが、今の70歳にはあと10~15年時間がある。高齢者の体力は15年前に比べて5歳程度若返っているというデータ(文部科学省「体力・運動能力調査2013年度」)もあり、生涯現役派には「まだまだやれる感」がみなぎっているようだ。
ギアチェンジが必要
ただ、70歳まで働くといっても、今と全く同じようにはいかない。自分の中で優先順位をつけ、ギアチェンジしていく必要がある。では「70歳まで働き続ける場合、譲れないものは?」。
多かった回答は「趣味や余暇の時間」「友達や家族との時間」「収入の維持」。
「役職」という答えは5.6%にとどまった。「役職」は「手放してもいいもの」でも最上位だった。今はポストがないと嘆いているが、年とともに執着は薄くなっていくようだ。
一方「収入」については「手放していい」が4割を超えたが、「譲れない」とする割合も5割近くあり、考え方に個人差が大きいことが見て取れる。
こぎれいな身なりで、化粧もきっちりしているが、ノーアクセサリー。
「ブランド志向は40歳を過ぎてなくなりました。最近、気を使っているのはネイルくらいかな」
と笑う女性は人材会社の課長(47)。キラキラしたものが最近似合わなくなってきたと感じている。