他人事じゃない!45歳銀行員「黄昏研修」 アンケートに見る40代の不安と現実
営業職の同僚は管理職に上がったが、男性はヒラのまま。
「ある特定の分野で、ずば抜けたものがないと、60過ぎて働けないと思うんです。だからこそスペシャリティーを高める努力をしてきたが、社内的に、それはちっとも評価されない」
稼いで安心したい
このまま、この会社にいても先はない。そう思って転職活動もしている。しかし、国内企業から決まって聞かれるのは「管理職経験はありますか?」。
その度に、心の中で毒づく。
「管理職、管理職って、今、なれていないから転職しようとしてるんだよ!」
現在は、管理職経験ではなく、自分の技術に興味を示してくれた外資系企業と交渉中だ。
男性は、独身。身軽ですね、と言われるが、誰も頼る人がいないからこそ、経済的にはもっと稼いで安心したい。60過ぎても、ずっと家にこもる生活なんてまっぴら。体が元気な限りは、仕事を通じて社会とつながっていたい、と願う。
読者にも聞こう。あなたはこの先、何歳まで働きたいですか。65歳? 70歳? それとも働ける限りずっと?
アンケートで最も多かった回答は「働けるなら何歳まででも」で、その数は約半数に達した。
「70歳まで」を合わせると、6割の人が少なくとも70歳までは働くことを希望している。
もう無理って思う
一方で、「70歳まで働くことが当たり前」の時代が来ることについて、賛成か、問いかけたところ、結果は「賛成ではないが仕方ない」が4割と最多。「賛成」は3割で「反対」が2割。「長く働きたい」という言葉の裏の本音が透けて見える。
渋々受け入れ派は、
「少子高齢化ではしょうがない」(ライフサイエンスメーカー、部長、40代後半、男性)
「肉体的には現職を70歳まで続けるのは難しいので、転職、またはいまの会社で職種を変更できないなら継続は難しい」(化学メーカー、課長、40代前半、女性)
反対派からは、
「年金支給開始時期を先送りする目的で70歳定年制を語られるのは、現役世代としてあまりに身勝手すぎると思う」(流通・小売り、社員、40代前半、女性)
という、怒りの声も。