「鶏白湯ラーメン」ブームの意外な仕掛け 秘密はスープの裏側にあった!
「鶏白湯スープは、桜島鶏を使用しています」。クックピットの本間義広社長は明かす。鹿児島の工場で親鶏の中抜きや若鶏のガラと地場産のとんこつを5トンの常圧釜にて下処理し、蒸らしを入れて2日間。強沸時間8時間で煮出してつくる。完成したスープは冷凍された状態で、各店舗へ配送されるという仕組みだ。
鶏白湯ラーメンを出す店の中にはもちろん店舗でじっくりと鶏を煮込んでスープをつくっているところも多いが、最近ではスープを外部から購入して提供しているラーメン店が目立っている。そういう店は、購入した冷凍の鶏白湯スープを店内で温め直して来店客に提供しているというワケだ。
従来の主流は濃縮還元型
もっともラーメン店では従来から、店舗内でゼロからつくらずにスープを購入するという手法は珍しくはない。これまで主流だったのは濃縮還元型といわれるタイプ。工場でつくったスープが濃縮されて店舗に届き、厨房の寸胴内で大量の水と合わせて沸騰させてスープを元通りの量に戻すという手法だ。
濃縮還元型の長所は、輸送コストが抑制できるという点、体積が小さいので保管場所も狭くても可能という点が大きい。ただ、肝心の「味」という部分で相当のハンデを背負ってしまう。味をしっかりとつけたタレを仕入れて、単に熱湯で戻すだけというチェーン系ラーメン店も存在するが、もちろんレベル的に相当低い完成度だ。
一方、冷凍タイプのスープだと、店舗の厨房の寸胴内に冷凍スープを入れて沸騰させるだけで、元通りの鶏白湯のおいしさが再現できる。さらにはコスト面の利点もある。一般的に人気のラーメン店の原価は35%強と言われ、冷凍型スープを購入しても原価的には、さほど変わらない。
みずからつくるのと比較しても、一見、メリットがないように思えるが、実は光熱費、特にガス代が相当、抑制される。「長時間煮込むラーメン店ですと、月に10万円を超えるガス代の店舗も珍しくないですね。それが、冷凍スープを購入すれば、3分の1から5分の1程度で済みます」とクックピットの本間社長は指摘する。
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