「鶏白湯ラーメン」ブームの意外な仕掛け 秘密はスープの裏側にあった!

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店主が煮込みをスタッフに任せている店舗であれば、煮込み時間が長時間になればなるほど、その人件費も相当な額になるため、冷凍スープの導入は人件費ベースでのコスト抑制効果もある。店主みずからが煮込んでいる店舗であっても、仕込み時間の短縮によって時間にゆとりができる。「家族と一緒にいられる時間が増えたと喜ぶ店主も多いんですよ」と本間社長は語る。

そんな冷凍タイプの鶏白湯スープは、ラーメン専門店のみならず、様々な飲食店が導入を図っている。ある居酒屋ではメニューの一部に取り入れ、「〆ラーメン」として好評だとか。また、料理専門店でなくても、仕入れて温めればメニューとして提供が可能だ。

ライブハウスが鶏白湯スープを活用する例も

例えば六本木のライブハウス「六本木Beehive」では、冷凍型のとんこつスープや鶏白湯スープを仕入れて、とんこつラーメンと鶏白湯ラーメンを、ライブのない平日ランチタイムに「ラーメン店」として提供している。スープはラーメン以外にも使用できる。例えばもつ鍋店での汁に利用されたり、野菜炒めの隠し味に使用したりと、汎用性があるのも特徴のひとつである。

もっとも、100%冷凍鶏白湯スープを導入して繁盛しているラーメン店は、単に仕入れたものを再沸騰させて提供しているわけではなく、各店舗とも工夫を凝らしている。スープにミルクやバターなどを合わせることで、よりクリーミーとしたり、トリュフオイルをかけてトリュフ風味を加えたり――。

アイテム自体も画一ではなく、ブリックス(いわゆる濃度)5や、ブリックス8、ブリックス10と3種類の濃さのものがあり、ニーズにこたえている。中にはいくつかをブレンドして使用する店舗も。そのため、同じスープを使用しても、様々な店舗で個性が出るのも、鶏白湯がブームになっている秘密かもしれない。

はんつ遠藤 フードジャーナリスト

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はんつえんどう / Hantsu Endo

1966年東京都葛飾区生まれ。東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方を1人でこなし、取材軒数は8000軒を超える。『週刊大衆』「JAL(Web)」などに連載中。また近年は料理研究家としてTVラジオ雑 誌などで創作レシピを紹介している。著書は『はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉』『おうちラーメン かんたんレシピ30』『おうち丼ぶり かんたんレシピ30』『全国ご当地やきとり紀行』(以上、幹書房)など。

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