桑原:2Dなのか3Dなのか、また実写なのか、いろんなやり方があると思います。コスチュームを、今、深田さんに着ていただくのは多分難しいと思うので、その辺はホリプロさんとまさに話が始まったところです。ヤッターマンに関していうと、1月から新TVアニメシリーズが始まるんですよ。『夜ノヤッターマン』というタイトルです。
塩野:タイトルだけを発表したティーザーを見た人の、「下ネタか?」というツイートがすごかったですね。
桑原:僕はタイトルには反対したんですけど「何も知らない社長は黙ってろ」みたいな雰囲気になって(笑)。ティーザープロモーションも含めて、スタッフの間では進め方や反響がわかっていたんでしょうね。
「社長着任3カ月間は何もするな」
塩野:今回は突然、テレビ局の営業が長かった桑原社長が、M&Aから関わってアニメの老舗の社長になられてという動きの中で、感想はいかがですか?
桑原:実は、着任する直前に、ここでもまた日本テレビの大久保社長に呼ばれまして「3カ月間、絶対何もするなよ」と言われてしまったんです。
塩野:またですか?
桑原:本当に「また」なんです。しかもさらにパワーアップしていて「今度はお前、何もするんじゃないぞ」とか、着任後も顔を合わせると「お前まさか何かやったんじゃないだろうな」って言われるんで、「僕もう着任して半年以上たちましたよ」って言うと「おう、そうだったか」みたいな(笑)。僕は、日本テレビ時代にアニメ制作の経験もキャラクタービジネスの経験もないわけですから、そんな素人があれこれ言うのがいちばん会社にとって迷惑だぞって意味ですよね。
塩野:今回のM&Aは交渉期間の長いディールだったと思うんですけども、すごく驚いたのが、日本テレビの経営陣が桑原さんにすべて任せていて、やっている最中はほかの人が誰も出てこないんですよね。役員説明は最後だけ。大企業でこの状況は珍しいなと思いました。
桑原:はっきり言って不安じゃなかったですか?
塩野:今だから申し上げますが、不安でした(笑)。デューデリジェンス(買収監査)の報告なんて、10人以上を相手にすることもあるのですが、今回はつねに桑原さん1人でしたからね。こっちは20人近くで報告しているのに、日本テレビからは1人。日本テレビはもともと、そういう風土なのですか?
桑原:元はけっこう、プロジェクトが好きな会社だったと思いますが、今の体制では、提案した人間が実行するというのがルールになっている気がします。また僕自身も、プロジェクトっていうのがちょっと苦手なんです。無責任な人間に限って大声でしゃべるというイメージを持っていて……。
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