アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。
日本テレビが、アナウンサーとして内定を出していた女子学生について、銀座でホステスのアルバイトをしていたことを理由に内定を取り消しました。
ホステスというのは、今の女子学生のアルバイト先としては特に珍しいものではありません。東京大学の学生を含めてです。『「AV女優」の社会学』(鈴木涼美、青土社)、『キャバ嬢の社会学』(北条かや、星海社)。これらは東京大学と京都大学の女性の大学院生が、自らその現場に立ち会った経験を基に書かれた修士論文がベースになった著作です。またホステスに関しても、参与観察に基づいた論文があります。
今回は既存の議論とは少し異なる視点から、ホステスという職歴が内定取り消しにつながることの是非について、考えてみようと思います。結論を先取りすると、日本テレビの判断は、大変な時代錯誤と性差別に基づくものだと私は考えるのです。
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