後悔しない「不妊治療の病院選び」ポイント5つ 体外受精を行う病院は日本に約600あるが・・・

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①総合病院か不妊専門クリニックか

他の診療科の場合、より高度な医療を求めると大学病院や総合病院などにたどり着く場合が多いもの。一方、不妊治療の最前線は不妊専門クリニックにあると言えます。

日本医科大学付属病院女性診療科・産科教授の明樂重夫医師によると、「総合病院は、婦人科系の疾患があった場合に『その疾患の治療』か『その疾患は経過観察して体外受精』か、選べることがメリット。体外受精しかしていない不妊専門クリニックでは、疾患があり治療が必要になれば転院を余儀なくされる」と言います。

一方、婦人科系の疾患を抱えていない場合、必ずしも総合病院を選ぶ必要はないようです。「体外受精で重要なのは採卵する医師のテクニックと方法に加え、小回りの利いた施設の中でいい培養器・いい培養士が円滑に作業できること。この点、不妊専門クリニックの中には世界トップレベルの環境を整えているところもある」(明樂医師)といいます。

②大手有名クリニックか地元の小規模クリニックか

①で触れたように、体外受精の成功のカギを握る存在として「胚培養士」がいます。大手では培養士だけで50人近く抱えるクリニックもあり、「年収1000万円なんてごろごろいる」(大手クリニック院長)ほど、重要視されています。

また大手の場合、これまで比較的費用が高額だったため「最後の砦として最先端の医療機器を取り入れないと治療がうまくいかない人ばかり来ている。そのため教育や研修に毎年10人以上海外の学会などに連れて行っている」(大手クリニック院長)といいます。こうした投資が十分にできるのは、大手ならではの強みと言えるかも知れません。

一方、大手クリニックは患者数も多く待ち時間が比較的長いことや、都心立地で家や職場から遠く急な通院の際に負担を感じる可能性もあります。その点、在籍する医師が1~2名の小規模クリニックなら通いやすい範囲で見つけやすく、「同じ先生にずっとみてもらえるという安心感がある。『たらい回しが嫌だった』という患者さんの声も聞く」(西岡さん)といいます。

また、「精子や卵子の取り違えなど、あってはならない医療ミスが起こらないための設備などの投資も施設によって違う。しかるべき投資をしてきた医院も、おざなりにしてきた医院も、保険適用後は同一料金となってしまう」とHORACグランフロント大阪クリニックの森本義晴院長は警鐘を鳴らします。こうした部分は患者からは見えにくいですが、心配な場合は多くのクリニックで治療開始前に開催されているセミナーなどで質問してみるという方法もあります。

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