後悔しない「不妊治療の病院選び」ポイント5つ 体外受精を行う病院は日本に約600あるが・・・

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
③治療実績・質は十分か

クリニック選びで当然多くの人が重要視する「治療実績」。ホームページ上で『妊娠率』などを開示しているクリニックもあります。ただ、クリニックによって算出方法が異なるためそこは要注意。

「ホームページに公開されている実績は、治療した人の中で出産した割合なのか、移植した人の中で出産した割合なのか、出産ではなく妊娠した人の割合なのかなど、基準がバラバラ。そのため、数字を鵜呑みにせずに参考程度に見ればいい」と森本院長は言います。また、女性の初診時の年齢に制限をかけているクリニックもあり、制限のないクリニックに比べよい数字になっている可能性が高いでしょう。

日本では2003年にJISART(日本生殖補助医療標準化機関)が設立され、JISARTの定める厳しい基準をクリアした医療機関に対し認定を行っています。認定施設であれば一定以上の医療の質が担保されていると言え、「JISART加盟施設か否か」は選ぶ際の目安にもなります。

しかし、「JISARTの認定審査基準は、設備や臨床成績はもちろんのこと、医師、胚培養士、心理士、事務まで、内容は多岐にわたり、維持していくだけでもコストも労力もかかる。ある程度の規模のクリニックでなければ審査クリアは難しい」(森本院長)。そのため、加盟クリニックは全国にわずか31施設。通える範囲にない人も多いかもしれません。

④治療方針は合っているか

体外受精の場合、多数の卵子を採取するために薬を用いて「排卵誘発」を行う場合が少なくありません。その方法は低刺激のものから高刺激のものまでさまざまです。どの方法を選択するかによって体への負担や通院スケジュールも異なります。

一般的に、検査結果などを基に医師と相談のうえで決定しますが、仕事や家庭との両立も考慮する必要があるため、自分に合った方法か見極める必要があります。

ただ、素人にはその見極めは難しいため、「治療方針に迷ったり、なかなか結果が出なかったりしたときに『他の病院でセカンドオピニオンを取りたい』と相談してみるのも手。それに嫌な顔をする・機嫌を損ねる医師がいるクリニックには、その時点で行くのをやめたほうがいい」と明樂医師はアドバイスしています。

次ページ結局は「人」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事