「学研」社長が今、新入社員に求める「3つの素養」 「カマスの実験」が教えてくれた組織変革の要諦

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学研ホールディングス代表取締役の宮原博昭氏(写真提供:学研)
老舗企業「学研」の約20年続いた経営低迷期に社長就任、そしてそこから苦難の道を経て、同社を12期連続増収、7期連続増収増益へと導いた、株式会社学研ホールディングス代表取締役・宮原博昭。次代を担う若きビジネスパーソンにメッセージを込めた新刊『逆風に向かう社員になれ』より、一部抜粋・再構成してお届けします。

摩擦を恐れず、とんがった人間になれ

私が今、新入社員に強く求めるビジネスの素養は3つある。

まず1つ目は「とんがった人間になる」ということだ。新入社員は、夢や希望や野心を持って企業の門をくぐる。それは、入社式での1人ひとりの顔つきや目つきを見ていればよくわかる。

しかし、なぜか30歳を迎える頃になると入社当時の志を失い、うつむき加減の姿勢で仕事をする人が増えてしまうように思う。現状をよしとして、「これ以上を」「もっと上へ」と上昇を求めず、すべてを悟ったような顔つきの若者を見ると、腹立たしいというよりせつなくなる。何かしてやれることはなかったかと後悔の念にも駆られる。

夢や希望を失った人間は、突起をなくした金平糖に似ている。金平糖の突起の部分が削られて小さな球になってしまったら、もはや金平糖とはいえない。それはまるで、主張を失って丸くなった人間の姿そのものである。

もしかしたら、現在の社会では丸くなった金平糖のほうが生きやすいかもしれない。とんがりを取ることで協調性が身に付くし、無用な摩擦も回避できるだろう。だが、それでは市場で戦って勝ち進むことはできないし、真にクリエーティブな仕事も望めない。そのままでいたら、会社ごと路頭に迷うことにもなりかねない。

だから、もっと強く自分を主張してほしい。さらに強烈にとんがって“巨大な金平糖”へと変身してほしいのである。巨大な金平糖になれば、実力も経験も十分に備えているから、多方面で力を発揮できるようになる。そして、自分がやりたいことも実現できるはずだ。

振り返ると、学研に入社した20代後半から30代半ばまでが、私の人生で最もとんがっていた時期かもしれない。

当時は全社的な会議などにはほとんど出席せず、事例発表を依頼されても「知ったことか」のひと言で突っぱねていた。上司とうまく人間関係を構築しようとか、同僚から尊敬されようという意識も皆無だった。

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