崎陽軒にそっくり「関西シウマイ弁当」の正体 史上初「東西駅弁メーカー」によるコラボ商品
シウマイ以外のおかずとご飯は、まねき食品が長年にわたって培ってきた駅弁作りの技術を余すことなく投入している。例えば、鶏の唐揚げと玉子焼き、筍煮。これらは「シウマイ弁当」と共通しているおかずだが、シウマイと同様に関西のだし文化をコンセプトに作られている。
鶏の唐揚げは、すっきりとした味わいのあご出汁と地元兵庫県・龍野にある老舗醤油メーカー、ヒガシマルの淡口醤油を下味に使っている。噛むほどに鶏肉のジューシーな旨味とともにあご出汁の風味と醤油のコクが口の中に広がる。
こだわりは細部にまで及ぶ
玉子焼きは関西らしく、鰹と昆布の出汁を使った出汁巻玉子。出汁の香りと旨味を生かした味わいにどこか懐かしさを感じる。筍煮もまねき食品でしか作ることができない工夫が凝らしてある。
「弊社のもう一つの名物『えきそば』に使用する鰹節や鯖節でとった出汁で味付けしています。噛むごとに出汁のやさしい味と風味が口いっぱいに広がります。それと、こだわったのは形状です。崎陽軒様の筍煮はさいの目切りですが、拍子木切りにしています。これは弊社の地元兵庫・姫路を含む播磨地方で祭りに使われる拍子木に見立てています」(竹田さん)
ほかにも「シウマイ弁当」の鮪の漬け焼は鯖の幽庵焼に。スチームオーブンで水分を保ちながら焼き上げているので、ふっくらとやわらかい触感が楽しめる。杏は甘塩っぱく煮た黒花豆煮に。杏と同様に、デザートなのかそれともおかずなのか意見が分かれそうだ。
こだわりは細部にまで及び、切り昆布と千切り生姜が酢レンコンと柴漬けに、俵型の御飯の上にのる黒ゴマと青梅干が関西で好まれる白ゴマと歯応えの良い赤梅干になっている。
竹田さんによると、すべてのおかずが決まるまで半年ほどかかったという。これでようやく発売できると思いきや、ご飯の炊き加減という最後にして最大の難関が待ち受けていた。崎陽軒もまねき食品も駅弁作りは冷めてもおいしく食べられることが前提となる。ところが、おいしいご飯の捉え方がそれぞれ異なっていたのである。
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