崎陽軒にそっくり「関西シウマイ弁当」の正体 史上初「東西駅弁メーカー」によるコラボ商品

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駅弁は「冷めてもおいしい」をめざして作られる。一方、冷凍商品の場合、「冷凍の状態から温めてもおいしい」となるため、まったく違う製法を考案しなければならず、連日連夜、試作を繰り返した。

「これまで弁当に使う食材を冷凍したことはありましたが、弁当そのものはしたことがありませんでした。冷凍と解凍を繰り返しながら状態や味をチェックしたり、冷凍商品専用の容器の開発も並行して取り組みました」(竹田さん)

まねき食品の代表取締役社長、竹田典高さん(筆者撮影)

そこで完成したのが、「あったかおうち駅弁」や「冷凍えきそば」をはじめとする冷凍商品である。まねき食品のオンラインショップのみでの取り扱いだったにもかかわらず、わずか2カ月で売り上げが3000食を突破したヒット商品になった。その要因は、コロナ禍で本格的な餃子やラーメン、焼肉などさまざまな冷凍商品が登場し、冷凍食品をネガティブに捉えなくなったことにある。実際、自宅で旅気分を味わいたいと購入するケースのほか、遠方で暮らす家族や友人に姫路の味を届けたいと注文する客も多かったという。

史上初の東西駅弁メーカーによるコラボ

さて、ここからは本題の「関西シウマイ弁当」に話題を移そう。まねき食品と崎陽軒は、ともに全国のJR駅構内で駅弁などの食料品を販売している業者で構成される日本鉄道構内営業中央会の会員同士。もともと緩いつながりはあったが、距離が縮まったのは2018年。

「弊社が台湾・台北で開催された『FOOD TAIPEI 2018』(台北国際食品見本市)に出展する際、当時すでに台北駅構内で駅弁店をオープンさせていたまねき食品様からアドバイスと協力をいただきました」と話すのは、崎陽軒の広報・マーケティング部の西村浩明さんだ。

2020年3月、竹田さんはコロナ禍で大きな打撃を受けた駅弁業界から経済を活性化させるため、崎陽軒の野並直文社長に「シウマイ弁当」とコラボできないかと直談判した。

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