崎陽軒にそっくり「関西シウマイ弁当」の正体 史上初「東西駅弁メーカー」によるコラボ商品

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崎陽軒はこれまで地方を盛り上げるために自治体などとともにシウマイで町おこしをしたことはあったものの、食品会社、それも同業の駅弁メーカーとのコラボは前例がなかった。

「まず、実際にコラボできるのか? できるとしたら、コラボする意義はどこにあるのかを役員会で何度も話し合いました。東と西の駅弁メーカーのコラボは、駅弁業界のみならず、横浜と姫路それぞれの地域を盛り上げることができるという結論に達し、まねき食品様からのオファーを受けることにしました」(西村さん)

駅構内で売られている人気の駅弁の冷凍商品「あったかおうち駅弁」(筆者撮影)

「シウマイ弁当」と「関西シウマイ弁当」をよく見比べてみると、それぞれの違いが見えてくる。そこから崎陽軒とまねき食品の並々ならぬこだわりが伝わってくる。まず、パッケージのデザインから見てみよう。「シウマイ弁当」は、黄色をベースに龍と水晶玉が描かれている。一方、「関西シウマイ弁当」のベースカラーはオレンジで、描かれているのは虎とオレンジ。2つのシウマイ弁当は、互いに優劣なく力の伯仲した英雄や豪傑などにたとえられる“龍虎”ということか。

パッケージに共通しているのは、経木(きょうぎ)折りと呼ばれる容器を使っている点だ。最近の駅弁はプラスチックの容器が定番になってしまったが、ひと昔前までは経木を用いた駅弁も多かった。経木は木のおひつに入ったご飯と同様に、水分を適度に吸い取って湿度を調整する働きがあり、食品を傷みにくくするのだ。また、蓋を開けたときの心地よい木の香りや手に持ったときに感じる温もりも経木ならでは。

経木折りに詰められた関西のだし文化

蓋を開けると、シウマイをはじめ、そのほかのおかずの品数やご飯の配置もそっくり。メインとなるシウマイの製造は、崎陽軒が担当。「シウマイ弁当」にも用いられている名物の「昔ながらのシウマイ」は、国産豚肉とオホーツク産の干し貝柱を組み合わせた旨味を重要視している。

「『関西シウマイ弁当』のシウマイを開発するにあたって、関西のだしの文化に着目しました。鰹や昆布でとった出汁を豚肉に加えて、さらに、シャキシャキとした食感が楽しめるように刻んだレンコンも混ぜています」(西村さん)

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