メタバースとFF14が「似て非なる」決定的な根拠 制作者の想像の範疇を超えられる自己組織化の要諦
ロブロックスは自分たちでゲームを作っていない。ゲームを作る環境を与えて、クリエーターがゲームを作ったり、楽しんだりすることを支援している。ゲーム版YouTubeと称されることも多く、クリエーターによって投稿されたゲームの数は2400万件にも上る。
ちなみに、ロブロックスのローンチ以前は、前身となる物理エンジン、つまり、3DCGの物理演算をシミュレートするソフトウェアを開発していた。そのソフトウェアを一般ユーザーが使えるようにしたというのが今のプラットフォームにつながっている。
アバターデザインはかなりレゴに似ている。アクティブユーザーの大半が小学生以下なので、小さい頃からゲームを作ることに親しめるわけだ。
ロブロックスがなぜメタバース関連企業として話題にのぼるかと言えば、エピックゲームズ同様、共同創業者兼CEOのデービット・バズッキがメタバースについて積極的に発言しているのが大きい。
CEOがさまざまなインタビューやカンファレンスで、ロブロックスをメタバースとしてプッシュしているのに加えて、株主向け資料の中でもメタバースというワードを多用しており、ロブロックスはメタバース関連株として注目されている。2021年の3月に上場したばかりだが、一時は時価総額が5兆円近くになった。
ロブロックスもフォートナイトと同様に、アニメーションやキャラクターなどのIP(知的財産)やファッションとのコラボを行っており、2021年にはグッチ(Gucci)とコラボしてバーチャルなバッグを販売したりバーチャル展示会を開催したりした。
「ドラクエX」や「FF14」とは何が違う?
さて、ここまで読んだ読者の中には疑問に思う方がいるだろう。
「フォートナイト」や「ロブロックス」はオンラインゲームとしての側面が大きい。
それではなぜ既存のMMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・オンラインロールプレイングゲーム:多人数が同時に参加するロールプレイングゲーム)はメタバースとして語られることが少ないのか。
確かに「ファイナルファンタジーXIV(FF14)」や「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(ドラクエX)」はMMORPGに属し、すでに何十万という人たちが、リアルな都市さながらにアクセスしている。
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