次世代のオンラインコミュニティーとして注目されているメタバース。この言葉の注目度が高まるにつれ、多くの企業が「わが社のメタバース」とさまざまなサービスをアピールしてきた。先日筆者が乗った新幹線の電光文字広告にもビジネス向けメタバースサービスの広告が流れてきたし、名古屋駅構内にも3D空間をビジネスに活用しようといった旨の宣伝ポスターが貼られていた。
現時点において、コミュニケーションができる3D CG空間=仮想空間をメタバースと呼ぶ声が多い。この1点で考えるのであれば、スマートフォンやPCの画面から、そしてVRヘッドセットを用いて3D CG空間に入れるサービスは総じてメタバースといっていい。
しかし今後のメタバースを考えるうえで、外せない点もある。
2020年、ベンチャーキャピタリストのマシュー・ボール氏は、これからのメタバースにおいて重要視される7つの要素を掲げた。
2. メタバースの住民全員がライブでつながる
3. 同時接続人数に制限なし
4. 生活費を獲得できる経済圏がある
5. 現実空間と仮想空間をまたぐ体験ができる
6. 仮想ファッションなどが複数のサービスで使い回せる
7. 数多のコンテンツが存在する
このうち特に注目されているのが、4つめの「生活費を獲得できる経済圏がある」。本業クラスか副業クラスか、収益の多寡はあれどメタバース内での活動ないしは、メタバース内で価値が出る活動が生活費につながるとなれば、この世界に飛び込んでくる人も増えていくだろう。
NFTアートへの投資は問題が多い
メタバースでの収益の話題となると、よく取り沙汰されるのがNFTアートだ。物理的には存在しないデジタルイラストなどに、権利者情報、商品情報、物流情報、真贋判定といったデジタル上のギャランティーカードをひも付けたNFTはいま、投機の対象として盛り上がりつつある。原則的に改ざん・複製ができないブロックチェーンで管理するから、安全に投資できるという触れ込みでアピールしている人や企業も増えてきた。
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