メタバースとFF14が「似て非なる」決定的な根拠 制作者の想像の範疇を超えられる自己組織化の要諦

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パーティーロイヤルモードを使って、2019年には人気DJのマシュメロがゲーム内で音楽コンサートを開催し、1000万人以上が参加した。その後2020年にはトラヴィス・スコット、2021年にはアリアナ・グランデといったトップアーティストたちがバーチャルコンサートを開催している。

また、ファッションブランドのバレンシアガ(BALENCIAGA)とコラボをして、バーチャルウェアやスキンを売ると同時に現実の服も販売するなど、単なるゲームの枠を越えて多岐にわたる活動を積極的に行っている。

オンラインゲームはこの世に星の数ほど存在するが、なぜメタバースを語るにあたってフォートナイトの名前が特段に挙がりやすいかというと、エピックゲームズの創設者兼CEOのティム・スウィーニーがブーム前からメタバースを意識した発言を繰り返ししていたというのが大きい。彼は「われわれはメタバースを構築する」と明言している。

ティム・スウィーニーはフェイスブックがメタバースにシフトしたことも意識しており、「フォートナイトがめざす世界は広告ビジネスではない」という牽制発言もしている。フェイスブックとは違うぞ、というアピールだ。フェイスブックがクルマの広告をあちこちに貼るとしたら、フォートナイトがめざす未来はその世界でクルマに乗ってもらうことだと息巻いている。

エピックゲームズはIT関連の企業の買収を積極的に進めていて、フォートナイトを中心とした独自のメタバースエコシステムを構築しようともくろむ中心的存在だ。

怪物的プラットフォーム「ロブロックス」

メタバースのもう1つの主要企業、それがロブロックスだ。

ロブロックスは2004年創業の会社で、2年後の2006年に社名と同じ「ロブロックス」をローンチした。オンラインのゲーム・プラットフォームであり、ゲーム作成システム「ロブロックス・スタジオ」も同時に提供している。クリエーターが参加してゲームを作り、そのゲームをほかのユーザーたちと一緒に楽しむことができる。

日本ではまだ知名度は低いが、2021年第4四半期のDAU(1日当たりのアクティブユーザー)が5000万人、月間のアクティブユーザーが2億人という巨大なプラットフォームだ。史上最も売れたゲームと言われている「マインクラフト(Minecraft)」にアクティブユーザー数で勝っていると言えば、その数のすごさがわかると思う。

アクティブユーザーのうち半分以上が13歳以下というのがこれまた恐ろしい。大人からすると、まったく想像のできない巨大なバーチャル世界がすでに形成されているのである。

次ページロブロックスは自分たちでゲームを作っていない
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事