メタバースとFF14が「似て非なる」決定的な根拠 制作者の想像の範疇を超えられる自己組織化の要諦

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既存のMMORPGがメタバースになりえないワケは? (左写真:Angel Garcia Bloomberg、右画像:ファイナルファンタジーXIV 公式プロモーションサイト)
メタバースという言葉を知っていますか?
オンライン上のデジタル空間を指すメタバースは、1992年にSF作家ニール・スティーヴンスンが発表した『スノウ・クラッシュ』という小説に初めて登場しました。これが後に、数多くの起業家にインスピレーションを与え、2022年現在、インターネットに続く新たな経済圏として世界的なバズワードになっています。
メタバースを論じる際に必ず例として出てくるのは、世界的な大ヒットゲーム「フォートナイト」とオンラインのゲーム・プラットフォーム「ロブロックス」です。
しかし、日本発の人気オンラインゲームである「ドラクエX」や「FF14」がメタバースとして紹介されることは少ないです。MMORPGとも呼ばれる既存のオンラインゲームと、メタバースの違いは何なのか。『メタバース さよならアトムの時代』の著者、加藤直人氏が「自己組織化」という観点から解説します。

世界的大ヒットゲーム「フォートナイト」

メタバースを考える際に、知っておきたい企業が2社ある。

エピックゲームズ(Epic Games)とロブロックス(Roblox)だ。今回のメタバース・ブームはメタ(旧フェイスブック)の創業者、マーク・ザッカーバーグ氏がトリガーを引いたが、そもそもはこの2社がメタバースという言葉を使って未来像を語り始めたことに端を発している。

エピックゲームズはオンラインゲーム「フォートナイト(Fortnite)」の運営会社だ。

フォートナイトがローンチされたのは2017年7月のことだ。同年10月にリリースした「バトルロイヤル」モードが大ヒットし、たった2週間でプレイヤー数が1000万人を超えた。2020年5月には登録ユーザー数は3億5000万人を超えている。

フォートナイトは最大100人が最後の1人になるまで生き残りをかけて戦うPvP(Player vs Player)のバトルロイヤル・シューティングゲームとして人気を博しているが、彼らは明確にゲームという枠を越えてメタバースの構築をめざしている。

たとえばゲームモードの1つとして「クリエイティブ」モードを提供しており、自由にコンテンツを作成したり、フレンドと一緒に好きに遊んだりすることも可能だ。

クリエイティブモード以外にも「パーティーロイヤル」というモードがある。戦いの場ではなく、プレイヤー同士がライブを見るなど、わいわい騒ぐためのモードだ。

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