ゴルフ「アマの懐事情」今年激変するかもしれない スポンサー契約解禁による期待と懸念される点

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弊害も生まれそうだ。井上プロは言う。

「小さいころからゴルフをやらせるのは、プロを目指すということになってくる。学校に行かない、勉強しないということにつながるかもしれません。早期育成で、職業選択が早く来るというか、そういう能力を早い年齢のときに優劣をつけてあきらめさせることもでてくるでしょう。全力で中学生までやって、もう勉強して元の道に戻りなさいと、いい意味で自然淘汰も始まっていて、早い年齢でやめちゃう子も出てくると思います」

子どもにとっては、ゴルフが楽しむものではなく、小さいときから勝負の世界になりかねない。

ジュニアゴルフの大会を取材していると、小中学生でも「強くなってスポンサーを見つけたい」「優勝してスポンサーを見つけたい」と話すようになっている。アマ規定改訂は、ジュニアゴルファーにも理解は進んでいるようだ。

いいスコアを出すためにルール違反がでたら本末転倒

起きないことを願いたいが、いいスコアを出したいと思うあまりに、ルール違反をするようになってきたら、アマ規定改訂は本末転倒になる。プロ化が進んだオリンピックでは、先の冬季オリンピック北京大会で10代のフィギュア選手の薬物問題が出た背景に、周囲が絡んだお金の問題があるのは容易に想像できる。

まだ改訂されたばかりで、改訂後の運用についての「判例」のような事象は集まっていないので、何ができて、何ができないのかも未知数。お金の入り方、使い方などによっては、企業側にも、契約した個人の側にも税金の問題が出てくる可能性もある。

改訂がよかったのか、悪かったのか、今後の様子次第だが、アマが賞金を獲得して、企業広告を背負ってプレーするように「景色がガラッと変わる」というのは、遠い話ではない。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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