一方、複数の関係者によると、政府から支援を受けているアフガニスタン人は、親類や弁護士、メディアなど外部との接触をできるだけ避けるよう仕向けられていたほか、難民申請はせず、事態が落ち着いたらアフガニスタンに戻ることに同意するよう求められていた。
最終的にはアフガニスタンに戻る前提
「われわれが何かを止めようとしたことはない。アフガニスタン人は現在、日本政府の支援を受けているのだから難民申請する必要はないが、最終的に申請することも可能だ。外部コンタクトも可能だが、実際にはJICAや外務省関係者を通して連絡するという形になっている」と、ある外務省関係者は話す。この人物によると、外部接触が限定的になっているのは、タリバンから保護するためだとしている。
一方、支援団体などによると、これにはアフガニスタン人を管理する目的があると見る。「JICA内部でも彼らとの接触を許されているのはほんの一部だ。彼らと面識があり同情的なJICA職員は連絡を禁じられている。彼らが今どこにいるのかわからない」と、支援者の1人は言う。
アフガニスタン人に対する政府の方針自体、彼らが最終的には出国してアフガニスタンに帰るか、在アフガニスタン日本大使館の移転先であるカタールに行くという前提に基づいている。
「11月の会合で外務省の職員がNGOに対して得意げに言うには、アフガニスタン人はみんな将来的にはアフガニスタンに帰るつもりでいる、と。彼になぜそんなことがわかるんだ」と、ある専門家はいぶかしむ。
NGOで働いていたアフガニスタン人への対応はさらに厳しい。ビザ申請のハードルは非常に高く、「当時1歳未満だった娘の同行を日本政府が許可しなかったため、来られなかったアフガニスタン人職員もいる」と橋本准教授は言う。
ビザの申請には、経済的に彼らの日本での生活の面倒を見られる日本人の身元保証人の事前確保のほか、(タリバン支配下のアフガニスタンでは入手が非常に困難である)有効なパスポート、日本との関連で迫害を受ける十分な恐れがあることの立証も求められる。
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