仮に受け入れられたとしても、日本への旅費や生活費は自費なため、数百万円を援助してくれる裕福な支援者を確保しなければならない。
短期滞在のビザが得られない場合には、「在留資格認定証明書」を得る必要があり、彼らを受け入れてくれる雇用者か施設を見つけなければならない。彼らの選択肢は、条件の厳しい労働ビザカテゴリーである「技人国(技術・人文知識・国際業務)」などへの申請に限られていて、それには、教育や職歴、職務内容の要件も満たす必要がある。「要するに、日本への入国は不可能に近い」、と橋本准教授は説明する。
妻と息子を残してきたアフガン人男性
日本の大学で学んだ経験がある大学教授のバサールさん(仮名)は、幸運なことに日本への渡航費や、仕事を支援してくれるスポンサーを見つけることができた。「いつかはアフガニスタンに戻りたいが、現状仕事のあてがない。銀行は機能していないし、犯罪は増えているし、男女は離れ離れにされている」とバサールさんは言う。
何カ月も待たされているが、早く仕事を始めたいと思っている。それによって、アフガニスタンに残してきた妻と息子のビザを取得できるからだ。彼や彼の家族が外国人と接触していることでタリバンの怒りを買う可能性があるため、家族の安否が気にかかる。
「タリバンは今、各家を確認のために訪ね歩くようになっている。が、アフガニスタンの悲劇はウクライナ侵攻によってメディアで全く報道されなくなってしまった」と、バサールさんは嘆く。
出入国在留管理庁は申請を却下するのではなく、いつまでも結果を出さずに彼らにあらぬ期待を抱かせると、複数の関係者は話す。「私が知る限り、技人国、教授、留学など高度な教育水準を前提としたもの以外のカテゴリーで申請したアフガニスタン人は許可されていない」と、アフガン退避支援を行うNGOのREALsの瀬谷ルミ子氏は言う。
「退避希望者がスポンサーとなる会社や個人を見つけるのは非常に難しいので、一部のNGO、大学の学部、時には大学教授までもが直接アフガニスタン人のスポンサーとなっている」と、NGOであるパスウェイズ・ジャパンの折居徳正も話す。
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