平気で「糖質オフビール」買う人の残念な重大盲点 「添加物、副原料、しかも味は…」あなたはOK?

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たとえば、うちの冷蔵庫にあった「ビールの糖質」は100ミリリットル3グラムです。350ミリリットル缶で10グラムちょっと、500ミリリットル缶でも15グラムです。

そもそも、この糖質はそれほど恐れるほどの量でしょうか?

それに比べて、ビールのつまみとしてよく食べられるフライドポテトは、Mサイズ(約135グラム)でも糖質が約40~45グラム、ポテトチップスなら1袋30〜50グラム。餃子5つで約20グラム、唐揚げは2~3個で15グラムです。

「糖質オフ」でがんばって10~15グラムを減らしたところで、ランチに糖質の多いラーメンや餃子、フライドポテトを食べたり、あるいはビールと一緒にポテトチップスなどの「糖質の多いつまみ」を食べてしまったら、意味がないどころか、糖質超過になってしまいます。

「糖質の多いつまみ」を食べたら意味ナシ

あくまで私の感想ですが、「糖質オフビール」は何か物足りないから、どうしても味の濃いつまみが欲しくなってしまいます。冒頭に挙げた私の友人も、スナック菓子やポテトサラダなど「糖質の多いつまみ」を平気で食べながら「糖質オフビール」を飲んでいます。

そんなことをするぐらいなら、普通においしいビールを飲んで、つまみは野菜や豆腐など「低糖質」のものにするか、あるいはつまみを「ナシ」にすればいいのではないでしょうか。少なくとも私はそう思います。

私が15年かけて開発した『安部ごはん』には、私が酒好きということもあり、自ら開発した「低糖質のおつまみ」をいろいろ紹介しています。しかも、「魔法の調味料」さえ用意しておけば、手軽に作れるものがたくさんあります。

「イカ焼き」だって、焼いたイカに「かえし」を絡めるだけ、「焼きささみの梅和え」も「みりん酒」があれば簡単にできます。

安部氏が開発した「かえし」さえ用意すれば、簡単に作れる「史上最強のイカ焼き」(撮影:佳川奈央)
安部氏が開発した「みりん酒」さえ用意すれば、簡単に作れる「気がきく大人の焼きささみ~梅和え~」(撮影:佳川奈央)

少し時間があって「本当においしいつまみ」を食べたいビール好きの人には、「チキンバー」もおすすめです。「こんなにかみごたえがあり、鶏肉の凝縮したうま味が感じられるレシピが、自宅でできるのか」と、実際に作った人が驚くほどの「手羽肉専門店の味を再現した人気レシピ」です。

安部氏が開発した「かえし」さえ用意すれば、簡単に作れる「ガチで食べたい人の専門店のチキンバー」(撮影:佳川奈央)

つまり、何がいいたいかというと、「糖質」といっても、要は「トータルの量」と「摂り方」次第だと思うのです。

もちろん個人の価値観にもよるでしょうが、毎日のようにビールを飲む私に言わせると、「糖質オフビール」で減らせる糖質には限界があるので、そちらを気にして「味」を我慢するよりも、「おいしいビール」を飲んで、その分、「つまみ」を工夫することで、結果的にトータルの糖質を減らしたほうが、よほど楽しく、おいしい食生活を過ごせると、今年70歳を迎えても健康そのものの私自身は、そう強く思います。

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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