日本人の生活も圧迫するウクライナ侵攻の別側面 調達難の値上げとともに第3次石油危機の可能性も

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ロシアのウクライナ侵攻で以下の商品価格が急騰しています。

1. 小麦価格。ウクライナが欧州向けの小麦の一大生産地で、そこからの供給が止まると予測されることから国際価格が急騰している。
2. 原油、LNG価格。ドイツがロシアからのパイプライン停止を表明。極東でもサハリンの開発計画が頓挫。世界的な供給不足観測から原油価格は一時1バレル=130ドル台に。
3. ロシア産ニッケル、ウクライナ産パラジウムなどの希少金属。特にニッケルはステンレスの製造に欠かせない金属のため、これが入ってこないとなると幅広い工業分野が止まってしまう。

小麦、とうもろこし、ニッケル、原油など国際コモディティ商品の4割が急騰し、値上げラッシュはさらに続くことになりそうです。製造業ではこれまでも半導体不足で工場がフルに稼働できないという問題を抱えていましたが、それにプラスチックや金属材料の不足が輪をかけることになるわけです。

落としどころがなければ経済制裁も長期化する

これから先の予測ですが、ウクライナ侵攻はおそらく長期化するでしょう。ロシアは当初から短期間で武力制圧を終える予定だったようですが、戦闘が長期化したことで兵站が続いていない。そもそも首都キエフの侵攻が進んでいないのも兵站の問題です。ウクライナ兵の抵抗が根強いことでキエフ陥落まで時間がかかるうえに、たとえキエフを抑えたとしてもウクライナ全土を制圧するとなるとその先が待っています。

本当はロシアもそろそろ停戦に持ち込みたいところですが、ロシアにとってもウクライナにとっても落としどころがない。だからウクライナ侵攻が長期化するのですが、そのことの最大の問題は「結果、経済制裁が長期化する」ということです。

ロシア制裁としていちばん効いているのはSWIFT排除によってロシア企業が海外企業との取引ができなくなったこと。ロシアには打撃を与えられていますが、逆にアメリカもEUも日本も、ロシア産の原油、ニッケル、木材を輸入することができなくなっている。

制裁の一環で欧州の航空会社がロシア上空の運航を停止していますが、これも日本と欧州の貿易路の遮断を意味していて、グローバルサプライチェーンの混乱を招いています。

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