「説明が下手な人」に共通する致命的な4大欠陥 判で押したように「同じような思考回路」だ

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では、改めて聞きましょう。あなたの上司はどんな人ですか? 即答できますか?

優しい人、明るい人、面白い人、そういった表面的な性格の話をしているわけではありません。どんな思考をする人なのか。どんな経歴をたどってきたのか。現在の肩書やポジションは? 何を重視し、何を軽視しているのか。データ派なのか直感派なのか。じっくり話すタイプなのか、簡潔な会話を好むのか。NGワードは? 「上にとっての上司」との関係はどうなのか……いくらでも思い浮かびますが、どのくらい確信に近い答えを持っていますか? まさか、ゼロではないですよね?

ただでさえ苦手な上司なのに、そんな詳しい情報、知りたくもないと思うかもしれません。でも発想を転換すれば、説明対象としてもっとも接する機会が多く、自分の説明の「お得意さま」である人物の情報は、どれだけ持っていても困ることはないと思いませんか。「お得意さま」という捉え方がイヤなら、「攻略の対象」でも、「ラスボス」でも構いません。

事前リサーチもなく、ラスボスにやみくもに突撃していくのは愚かです。事前に集められる情報があるなら最大限収集しましょう。

「意見がない」のは普段の仕事ぶりとつながっている

■特徴3 自分が理解し切れていないことを説明しようとする

「ところで、君はこれについてどう思うの?」

説明下手な人の中には、こんなふうに上司から急に意見を求められることに苦痛を感じている人も多いのではないでしょうか。自分の意見をうまく説明したいけれど、しどろもどろになってしまう、とっさのことで何も言えず固まってしまう……。

こんなとき、面倒見のいい上司であれば、あなたが答えやすいようにさらに質問を重ねてくれるかもしれません。けれどほとんどの上司は、「意見がないなら、もういいよ」と、あなたに‟使えない部下”のレッテルを貼ることでしょう。

ビジネスにおいて、「意見がない」は、「自分の頭で考えていない」と白状しているようなもの。実はこうした人も、典型的な説明下手タイプです。

とっさの質問に対して自分の意見が述べられない、自分の考えを説明できない人は、普段の仕事ぶりを振り返ってみましょう。自分の頭で考えず、指示待ちになっていないでしょうか。

説明できないということは、「考えが言葉にならない」のではなく、「考えていないから言葉にならない」可能性が高いのです。

どうすれば、自分の頭で考えることができるのか? 先ほどのセリフを例に、トレーニングをしてみましょう。会社の新商品について「ところで、君はこれについてどう思うの?」と意見を求められたとして、どう答えればいいでしょうか。

「いいと思います」では、答えになっていないというのはわかりますよね。これでは何も考えていないとか、場合によっては上から目線だと思われかねません。

ちゃんと考えているのに……と思うかもしれませんが、これは頭の中に漠然としたイメージしかない状態。「考える」ではなく、「思う」「感じる」といったイメージの段階で、これでははっきりとした言葉にして説明することはできません。

では、考えて言葉にするには具体的にどうすればいいかというと、「仮説思考」が大きな武器になります。

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