プロ野球キャンプ「沖縄本島に集中」進む切実事情 コロナ禍で離島部でのキャンプ実施球団は少数に

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久米島町観光協会の上原一晃事務局長は語る。

「選手、球団関係者、報道陣の来訪がないため、宿泊業、交通事業者、飲食店では大きな経済損失となっています。例年であれば連日、キャンプの様子が取材、報道されることにより付随して島の観光関連の知名度アップにつながっていましたが、この2年間はメディアへの露出が激減し、知名度の低下を懸念しています。

島には多くの楽天ファンがおり、2年連続でキャンプ中止となったことで、純粋にファンの皆さんが選手との交流ができない状態が長期間にわたったことによる活力・モチベーションの低下が懸念されます。

町としては引き続き、春季キャンプが実施できるよう、楽天協力会、商工会、観光協会と連携して体制構築とさらに魅力あるキャンプ地づくりを目指します。コロナの影響が長引くことも考慮し、他の自治体の取り組みを参考にしつつ、球団との連携を強化していく計画です」

金武町はスポーツ振興を推進

一方で、一昨年から楽天の正規の春季キャンプ場となった金武町では、2年ぶりに有観客で春季キャンプが行われた。ただし、感染対策は厳格だ。観客はメイングラウンドの三塁側の決められたエリアに限定され、入場に際してはワクチン2回接種の証明か、PCR検査の陰性証明の提示が求められ入り口で帰るファンも見られた。金武町はタコライス発祥の地として知られるが、キッチンカーはキャンプ地ではなく駐車場で営業していた。

楽天キャンプの間隔をあけた観客席(写真:筆者撮影)

金武町はスポーツ振興を推進している。隣接する金武町フットボールセンターでは浦和レッズが第一次キャンプを実施。また屋内練習場の建設も進んでいる。コロナ後も引き続き楽天の春季キャンプ地になるべく施設を充実させているのだ。

今年、離島部で春季キャンプを実施したのは石垣島の千葉ロッテマリーンズだけだ。石垣市は2008年のロッテのキャンプ誘致後、石垣市中央運動公園の施設の改修、増設を進めた。また台湾プロ野球(CPBL)のLamigoモンキーズ(2020年から楽天モンキーズ)との練習試合も行って、賑わいを作っていた。

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