そこで、エアバスからおよそ最大760億円もの違約金が請求される可能性があり、事業継続が難しくなるのではないかとの指摘があります。
スカイマークの平成27年3月期 中間決算を見てみましょう。損益計算書(6ページ)から業績を調べますと、売上高にあたる事業収益は、前の期より0.7%減の451億円。さらに事業費が14.6%増えたことで、営業利益は、前の期は20億円の黒字だったのが、この期は43億円の赤字を計上しました。
これは営業段階の話ですから、エアバス問題を抜きに考えても、業績が大きく悪化していることを示しています。
なぜ、JALとANAは好調にも関わらず、スカイマークだけ独り負けしているのでしょうか。大きく3つの理由が考えられます。
1つは、A330型航空機の導入に伴うコストがかさんだことです。A330を新たに導入したことで、パイロットの訓練費用や整備部品費用が増えたのです。さらに、新型機導入を告知するための広告宣伝費も膨らみました。
2つめは、円安の悪影響です。スカイマークには国際線がありませんから、円安が進んでも、燃料費が上昇するだけで、海外収益の円換算額が増えるというメリットがないのです。
3つめは、ポジショニングの問題です。スカイマークは、JALやANAほどサービスを提供しているわけでもなく、路線の数も少ない。かと言って、LCC(格安航空会社)ほど安くもない。こうした中途半端なポジションにいますから、強みがうまく出せないでいるのです。
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