いつも自分の提案が通らない人が知るべきコツ とにかく「No」を避け続けることで企画が進む

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起業でも社内の新規事業提案でも、何をやりたいかを出発点にすることは大事です。ただ、そのためのHOWは柔軟に考えたほうがいい、というのが僕の考え。HOWにこだわりすぎてしまうと、選択の幅が広がらず、狭まってしまうからです。

HOWにこだわってしまうという問題は、社内で新規事業を提案する場合にも陥りがちな落とし穴といえます。

社内で事業を考える場合「自社の技術を使おう」「自社の営業ネットワークを使おう」などと考えがちです。これはHOWの発想。

もちろん、手持ちの技術やネットワークを使えれば効率的ですが、過度に「使おう」「生かそう」と考えることでアイデアの幅が狭くなります。

事業化で重要なのは、手持ちの技術などを使うことではありません。事業を立ち上げ、継続的に収益を生み出す仕組みにしていくことです。順番としては、事業づくりという課題があって、そのための手段として、自社の技術やネットワークの活用があります。

これが逆になり、技術やネットワークありきで事業を考えていくと、お客さんにとって価値がなく、需要を満たせない事業になってしまう可能性が高いのです。

また、技術などを活用する際の注意点として、自分たちにとって価値ある技術が、周りから見れば「そうでもない」というケースがあります。たとえば、味がウリで、味で勝負していると思っているお店が、実はお店の立地、雰囲気、料理が出てくるスピードの速さなどで評価されている、といったケース。ここを見誤ると、お客さんにとっては評価ポイントではない味を生かした事業になってしまいます。

HOWは蓄積して温存しておけばいい

仮に、思いついたHOWが事業化に結びつかなかったとしても、それはそれで温存しておけばいいのです。

『失敗の9割が新しい経済圏をつくる』(かんき出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

HOWをストックしておくことで、別の機会に役立つかもしれません。たとえば、僕は、思いついたことを自分のスラックに送っています。メモをしておけば、いつか役立つときが来るかもしれませんし、スラックなら見返すのも簡単です。

言い方を変えれば、目の前の事業にHOWがハマらなかったとしても、HOWを蓄積できたという点では成功。HOWを多く持っているほど、第2、第3の事業を立ち上げるときに有利です。次にやりたいことが見つかったときに、手持ちのHOWを当てはめて、うまくいきそうな方法を探すことができます。

この新規事業のプレゼンのポイントは、幅広いビジネスパーソンに応用していただけると思います。ぜひ、参考になさってください。

矢野 健太 パンフォーユー代表取締役

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やの けんた / Kenta Yano

株式会社パンフォーユー代表取締役。京都大学経済学部卒業後、株式会社電通に入社するが、地元群馬に貢献したいという思いから退職。教育系ベンチャー企業にて新規事業立ち上げを経て、特定非営利活動法人の事務局長に就任。2017年1月にパンフォーユー設立。創業間もないにもかかわらず、SHARP、ネスレ、KDDI、大阪メトロなど大手企業から引き合いが絶えない。『ガイアの夜明け』『がっちりマンデー!!』『WBS(ワールドビジ ネスサテライト) 』『モーニングサテライト』『スーパーJチャンネル』など名だたる経済・情報番組にも出演。著書に『失敗の9割が新しい経済圏をつくる』(かんき出版)がある。

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