いつも自分の提案が通らない人が知るべきコツ とにかく「No」を避け続けることで企画が進む

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新企画のアイデアなど自信の企画案を通すためのポイントはどこにあるのでしょうか(写真:EKAKI / PIXTA)
社内で新規事業を立ち上げたり、新企画のアイデアを提案するとき、練りに練った自信の企画案が、社長の「No」の一声であえなく撃沈……という経験はありませんか?
地域のパン屋さんの課題を独自の冷凍技術とITで解決するスタートアップのパンフォーユー代表・矢野健太氏は、意思決定者を納得させるためには、一発で通そうとするのではなく、「No」を避け続けながら地道に合意形成していくことが大切と話します。
※本稿は矢野氏の著書『失敗の9割が新しい経済圏をつくる』より、一部抜粋・再構成してお届けします。

 新しいアイデアに消極的なら表現方法を変え続ける

もともと広告代理店の会社員だった僕は、「地元の群馬県に貢献したい」「地方経済を活性化したい」という思いから起業し、右往左往の果てに社長になりました。

最初にご縁があったのは、実力と実績のある冷凍パンのメーカー。僕の事業計画は、そのメーカーと共同出資で合弁会社をつくり、新たな事業を展開することでした。

メーカーの社長に起業を考えていることを伝えて、「事業パートナーとして一緒に新しい事業をやりたい」「新規事業を提案させてほしい」とお願いすることにしたところ、「面白いね。事業計画ができたら持ってきてよ」と、社長は快く応じてくれました。

社長に最初に事業計画書を持っていったのは、その1カ月後。

会社として事業をするかどうかを判断しますから、社長だけでなく、営業や製造の責任者など、経営幹部の人たちにも承認してもらう必要があります。

社長の反応はまあまあでした。一方、幹部の人たちの反応はどうだったかというと、正直、微妙でした。まず、僕が提案した「オーダーメイドパン」というものが世の中に存在しないため、どういうものなのかイメージできません。需要があるのかどうかも不明ですし、どうやって需要をつくるのかも不明。

これは新規事業あるある。

新しいアイデアはブルーオーシャンで、大きな需要を掘り当てられる可能性がありますが、比較対象となる前例や既存事業がないため、どんな事業なのかが伝わりにくいのです。

そういうわけで、幹部の人たちの評価は、否定的ではないですが、消極的。

「……まあ、社長がやるというなら、やってみてもいいんじゃないの」
そんな雰囲気の中で、僕は手を替え品を替え表現方法を変えながら、オーダーメイドパン事業の魅力を伝えていったのです。

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