「奨学金600万円」借りた女性が苛立つ「ある一言」 借りていない側の「借金扱い」に納得いかない訳

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「卒業旅行の費用や卒業式の袴代には、奨学金から一部だけ使いましたが、それ以外の生活費は基本的にバイト代から捻出していました。看護師の世界しか知らないまま社会人になるのは嫌だったので、その前にいろんな仕事を経験しておきたいという気持ちもあったんです。私の周囲でも、同じ考えからコンビニや居酒屋でバイトしている子は多かったですね。

平日は授業が入っているため、土日しかシフトに入れないのですが、面接の際に看護学校の学生ということを伝えると必ず採用されて。『なかなかシフトに入れない』と思われるのと同時に、『看護学校の学生だから変な子ではないんだろう』と思ってもらえるんですよね(笑)」

「看護奨学金制度」を知らずに愕然

学生の本分を全うしつつ、将来を考えてバイトし、なおかつ遊びもしっかりする……なかなか堅実で、優等生的にも思える松村さんだが、実はすでに、ある落とし穴に落ちていたようだ。

そのことに気づいたのは、無事に国家試験に合格して、看護師として病院に勤務し始めた後のこと。

「看護学校には看護奨学金制度というものがあるんです。看護学生に病院等の団体がお金を貸与してくれて、看護師になった後、一定期間その病院で働くことで返済が免除になる……という制度です。就職後、同僚から聞くまで私はこの制度のことを知らなかったんですよ。『そういうシステムがあったんだ……』って、初めて聞いたときはめちゃくちゃ落ち込みましたよね」

もちろん看護奨学金制度にも「就職先が必然的に限られる」「途中で退職した場合、返済が必要になる(中には勤務年数に関係なく、全額を一括返済しなければならない場合も)」などのデメリットはある。

ただ、知って選択することと、知らずに選択できないことでは、大きな差があるのは間違いない。本記事の読者で看護学校への進学を考えている人がいれば、しっかり調べてほしい。

こうして、自身の奨学金が背負う必要のないものだったと知った松村さんだが、彼女は前向きな性格だった。「今さら後悔しても遅い」と気持ちを切り替えたのだ。42歳まで、毎月約2万5000円の返済生活である。

「返済はそんなに負担じゃないけど、『奨学金がなかったら結構貯金できたんだろうな』と思うこともあります。でも、お金の大切さを若いうちに知ることができたのも事実だし、奨学金があることで、看護師というハードな仕事を続けられていると思うんです。

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