消えた「宮崎キャンプ特需」再生への厳しい道のり 「観光立県」を目指す宮崎県は復活できるのか

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宮崎キャンプと言えば「足湯」が名物だったが、さすがにこれはなかった。また例年、選手のサインコーナーが設けられていたが、今年はそれもなかった。10人同時に投球練習ができる12球団屈指のブルペンも非公開だった。

ソフトバンクが宮崎市生目の杜運動公園で実施した一、二軍キャンプも今年は有観客だった。地元九州のチームでもあり、例年、最大の観客を動員している。キャンプ地には2年ぶりに「ホークスビレッジ」という大きな屋台村が復活し、弁当や名産品、宮崎名物の地鶏などが売られていた。

復活した「ホークスビレッジ」(写真:筆者撮影)

ただ、例年に比べると活気がない印象だった。お客が少ないこともあるが、ソーシャルディスタンスを十分とるなど、感染症対策が厳しかったこともあるかもしれない。

ソフトバンクのキャンプで目立ったのは「動線」だ。選手と報道陣、観客は、それぞれ異なる動線が設定され、厳しく規制されていた。主力選手が立て続けに感染する中で、神経をとがらせていたのだ。

オリックス、ソフトバンクともにメインスタジアムに入場する際には検温、手指消毒が必要だった。宮崎市の宮崎県総合運動公園の巨人春季キャンプでは、それに加えてネットでの事前予約もしくは、申請用紙への記入が当日求められた。ここでもブルペンは見学できず、メイングラウンドの動線は厳しく規制されていた。また、店舗の数も減っていた。

宮崎市の「キャンプ特需」は戻ってきたか

宮崎市の3つのキャンプ場はJR宮崎駅を起点として、それぞれ30分程度で行くことができる。それぞれの球団の熱烈なファンだけでなく、3つのキャンプ地を回るファンもいて2月の宮崎市は「キャンプ特需」があった。コロナ禍で昨年はそれが蒸発したが、今年は半分程度まで戻った感じか。

地元の春季キャンプ受け入れ側である宮崎市観光協会の担当者は次のように語った。

次ページ沖縄本島への一極集中が進む春季キャンプ
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