中国の大型トラックEV化「電池交換式」が主流に 車両と電池の切り離しで導入コストを低減

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電池交換式の大型EVトラックは、運転台の後ろに巨大な電池モジュールを搭載する(写真は大型EVトラックを製造する漢馬科技集団のウェブサイトより)

内燃機関のエンジンで走行する自動車は、大量の二酸化炭素(CO2)を排出する。なかでも大型トラックのCO2排出量は大きいが、商用車であるため、ユーザーのコスト負担能力に制約がある。このことが、大型トラックのEV(電気自動車)化の大きな壁になっていた。

しかし「電池交換式」の大型EVトラックの登場が、この壁を打ち破るかもしれない。中国の商用車情報サイト、第一商用車網のデータによれば、「新エネルギー車」のカテゴリーに属する大型トラックの2022年1月の販売台数は2283台と、前年同月の14倍に増加した。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

注目すべきなのは、1月の販売台数の99%以上を電池交換式の大型EVトラックが占めたことだ。同月の大型FCVトラックと大型PHVトラックの販売台数は、合計わずか20台だった。

「短距離用途ではディーゼルより割安」

大型EVトラックは大きな駆動力が必要なため、強力なモーターと大容量の車載電池を搭載しなければならない。そのため(エンジン車に比べて)車両の製造コストが高くなり、ユーザーの導入時の初期負担が大きい。

それだけではない。車載電池が大きければ車両の重量が増え、貨物の積載量が減ってしまう。大容量の電池は充電時間も長くなる。車両の積載効率と運用効率が追求される商用車において、大型EVトラックは多くの点で不利と見なされてきた。

だが電池交換式の大型EVトラックなら、用途次第ではEVの長所を活かしつつ、短所をカバーすることが可能だ。と言うのも、電池交換式はトラック本体と電池モジュールを別々に販売できるからだ。

本記事は「財新」の提供記事です

トラック本体には電池が搭載されていないので、ユーザーの導入コストを低減できる。その一方、電池モジュールはリース方式で導入すれば、ランニングコストの電気代は(ディーゼルエンジン用の)軽油代よりも安い。さらに、電池モジュールは短時間で交換できるように設計されているため、充電時間の長さの問題も解決する。

「短距離輸送に(特化して)使う場合、電池交換式の大型EVトラックを導入して5年間運用した時の総コストはディーゼル車を下回る」。大型EVトラックの交換電池サービスを手がける企業の担当者は、そう説明する。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2月20日

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