リモートワークの定着による旺盛な需要を追い風に、中国のパソコン最大手の聯想集団(レノボ・グループ)が快走を続けている。同社は2月23日、2021年10~12月期の決算報告を発表。それによれば、売上高は前年同期比16.7%増の201億2700万ドル(約2兆3124億円)、純利益は同62.0%増の6億4000万ドル(約735億円)を計上し、四半期ベースの過去最高を更新した。
レノボは事業分野を3つに分け、個別の業績を開示している。具体的にはパソコン、タブレット、スマートフォンなどの「スマートデバイス・グループ」、サーバーが主力の「インフラストラクチャー・グループ」、各事業のサービス関連業務を分離・統合した「ソリューションサービス・グループ」だ。
そのうちスマートデバイス・グループは、10~12月期の売上高が176億1000万ドル(約2兆232億円)と前年同期比15.78%増加。総売上高の8割以上を稼ぎ出した。
「新型コロナウイルスの流行が続く“新常態(ニューノーマル)”の下で、リモートワークなど多様な勤務形態が広がっている。パソコンの需要拡大は今後も続くだろう」。レノボのCEO(最高経営責任者)を務める楊元慶氏は、決算説明会で強気の見通しを示した。
IBMから買収したサーバー事業が黒字化
インフラストラクチャ―・グループの10~12月期の売上高は19億2900万ドル(約2216億円)。総売上高に占める比率は1割弱ながら、前年同期比の伸び率は18.9%とスマートデバイス・グループを上回った。
特筆すべきなのは、インフラストラクチャ―・グループが初めて1688万4000ドル(約19億4000万円)の営業黒字を計上したことだ。レノボは2014年、アメリカのIBM から「x86アーキテクチャー」のサーバー事業を23億ドル(約2642億円)で買収した。それから7年を経て、ついに黒字化に漕ぎつけた。
このように業績は絶好調だが、財務諸表からはレノボが(半導体などの)部品不足や物流の混乱に悩んでいる様子も見て取れる。部品の納入や完成品の輸送の遅延を反映し、売掛金と買掛金がそろって膨張したのだ。
決算報告書によれば、2021年12月末時点の売掛金の総額は123億4900万ドル(約1兆4188億円)と、1年前より30億6900万ドル(約3526億円)増加した。同じく、買掛金の総額は125億1700万ドル(約1兆4381億円)と、1年前より25億4900万ドル(約2929億円)増えている。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は2月23日
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