中国では新型コロナウイルスの局地的流行が各地で続き、サービス業の経営に大きな影響が及んでいる。3月3日に発表された2月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は50.2と、前月(51.4)より1.2ポイント低下。2021年9月以降の最低値を2カ月連続で更新し、好不況のボーダーラインの50に近づいた。
なお、3月1日に発表された中国国家統計局の調査に基づくサービス業PMIは50.5と、前月(50.3)より0.2ポイント上昇した。2つのPMIが相反する動きを示したことは、先行き不透明な事業環境が続くなか、サービス業の景気の方向感が定まらない実態を反映していると言えそうだ。
懸念されるのは、財新の調査に基づくサービス業の新規受注指数がボーダーラインを半年ぶりに割り込んで縮小基調に転じ、2020年5月以来の低い値を記録したことだ。さらに、サービス輸出の新規受注指数は2カ月連続で縮小基調となり、外需の弱さが鮮明になった。
消費減速でインフレ圧力は緩和
需要の縮小に(人手不足による)採用難が重なり、サービス業の2月の雇用指数は2カ月連続で縮小基調圏にとどまった。ただし、縮小幅は前月より幾分改善している。
サービス業へのインフレ圧力は2月は若干やわらいだ。(仕入れ価格の指標である)投入価格指数と(販売価格の指標である)サービス提供価格指数は、いずれも拡大基調圏にあるものの、前月より上げ幅が縮小。投入価格指数の上昇率は2021年9月以降で最も低かった。
今回の調査結果からは、原材料、エネルギー、人件費などの高止まりが続くなか、新型コロナの影響で消費者の購買意欲が下がったことが、インフレを緩和する方向に作用したことがうががえる。
サービス企業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、16カ月ぶりの低水準に落ち込んだ前月から一転して、2月は過去3カ月の最高値を記録した。新型コロナの世界的流行の収束と、その後の景気回復に対する、経営者の期待の底堅さを示した格好だ。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は3月3日
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